活躍が期待される注目のプレーメーカーたちを追って、九州へ。
彼らは、効果的なパスを出すため、どのようなポイントを意識しているのか。
そのコメントからパサーに求められるスキルやセンスについて、学んでいこう。

4
永松涼介選手
(大分/3年/MF/目標とする選手:シャビ選手)

得意なのは周囲を活かすプレー。同じパスでもプレーエリアや周りの状況によって選択肢を変えています。例えばゴール前では得点につながるパスが大事なので、DF裏へのパスやシュートまで持ち込めるボールが必要ですが、中盤では攻撃を組み立てるために、味方に「こうしてほしい」という意図を伝えるボールが必要。意図を伝える際は、味方の左右どちら側に出すかを特に意識していています。

またFWとしてもプレーすることもあり、その際に気をつけているのはパスを受ける位置。常に2人の相手DFの間に顔を出すことができれば2人の動きを引き付けることができて、必ず味方の1人がフリーになれる。これを実現するため、常に頭を動かすようにしています。

5
薬真寺孝弥選手
(長崎総合科学大附属/3年/MF/憧れの選手:イニエスタ選手)

最近はCBでプレーしているのですが、小嶺忠敏監督から求められるのは『簡単にプレーする』こと。カウンターが武器のチームなので、縦へのパスが最優先。相手が攻めている状態だと油断していることも多いので、奪ってからすぐにロングパスでDFの裏を狙うように意識しています。最終ラインから一本のパスで、得点を奪えることが一番良いという考えです。

ただ蹴るのではなく、受ける人の気持ちを考えながらボールを蹴ることも大事。また、奪ってすぐにロングパスを出すようにしていたら、相手FWが警戒して突っ込んできてくれるので、その場合はドリブルで抜いてからパスを入れるなどプレーを使い分けています。

6
藤川虎太朗選手
(東福岡/3年/MF/憧れの選手:イニエスタ選手)

縦へのスルーパスを出す時は、裏に飛び出す味方に出すのではなく、相手が追いつけない場所にボールを出しています。気をつけているのは、味方が受けやすいよう、狙った場所に置くようなイメージの遅いパス。また、味方が止めやすいよう、しっかり無回転で出せるように、インサイドの中心で蹴るようにしています。

パスを出す時に見るのは相手DFの軸足。例えば右足が伸びきっていれば、すぐに右足が出せないのでそのちょっと先に出しています。また、僕はパスを出した後に周りの選手からリターンのパスを受けることも多いタイプ。その時に速いボールを出してしまうと僕についたマークがはがれないので、あえてボールが獲れるかギリギリのゆるいパスを味方に出して、相手にボールを追いかけさせるんです。