<質問>高校2年です。少し太り気味だったので、今年の夏に3キロ絞りました。軽くなると思ったのになんか調子が良くありません。どうすればよいでしょうか?

<回答>頑張って絞りましたね!と言いたいところですが、スポーツ選手が体を絞る、というのは痩せて体重を減らすことではなく、『余計な体脂肪を落とし、必要な筋肉を身に付ける』ことです。そうすることによって、動きやすい体にしていくことを『体を絞る』と言います。なんか調子が悪いというのは、脂肪も落ちたかもしれませんが、それ以上に必要な筋肉まで落としてしまった可能性が高いです。

脂肪は軽く、筋肉は重いので、3kgのうち、脂肪が1kg、筋肉が2kgといった割合で体重が減ってしまったのかもしれません。動きやすい筋肉の量から1kg減っただけで、プレーの感覚は変わってしまいます。通常、筋肉量が2kg減ると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、怪我のリスクも高まります。今は、まだプレーできているようですが、怪我に至らないように、早急に筋肉の量を戻していくことが必要です。

毎日の3食の食事の量を増やし、それ以外にも練習前後に軽食を取り入れるなどして、とにかく摂取エネルギーを増やしていくことが必要です。ただ、太りやすい体質かもしれませんので、食事の内容にも気をつけなければなりません。ご飯を作ってくれる親や寮の方に現状を伝えて、調理を工夫してもらうのと同時に、練習前後の軽食では、菓子パンなどではなく、優れものの「バナナ」や「おにぎり」を食べると効果的です。リオ五輪で金メダルを取った水泳の荻野選手は1日7食を食べていましたが、練習前にバナナ、練習後にはおにぎりなどの力を借りていました!

本来であれば、筋肉の量が増えていき、体もプレーもどんどんたくましくなっていく時期ですので、体脂肪が増えないように気をつけながら、筋肉で体重を戻し、増やしていってください。そうすることによって、現在の調子の悪さは解消されるはずです。そして、動きやすいと感じた時の体重を大切にして、そこから少しずつ更に増やしていってください。身長も伸びやすい時期ですので、日々の体重と動きやすさを照らし合わせながら、動きやすい体重から、1年に1~2kgずつ筋肉が増えていく位の感じで進めていければ良いと思います。まずは、怪我に至らないように、減らしてしまった筋肉を早急に取り戻してくださいね!