選手権、インターハイで4度のベスト4入りを果たし、DF松田陸(セレッソ大阪)、FW松田力(アビスパ福岡)を筆頭に多くのJリーガーを輩出。全国でもトップクラスの注目を集める島根県の強豪、立正大淞南の選手がどんな1日を過ごしているのか、密着取材してきたぞ!

■寮生の一日のスケジュール

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~06:00 起床・点呼・朝食
07:00~08:00 朝練
08:30~14:30 学校
15:00~17:00 練習
17:00~18:00 自主練習
~19:00 夕食
19:00~20:50 入浴・勉強
~20:50 点呼
20:50~21:30 掃除・自由時間・勉強
21:30~06:00 睡眠(勉強)

サッカー部専用の陽光寮には県外から来た選手を中心におよそ90人の選手が暮らしている。「サッカー選手として成長するには自分がどんな生活をすれば良いかを考えさせている」と南健司監督が話すようにサッカーに打ち込める環境が整っており、朝6時に起床し、朝食を食べ終わり次第、自主練を行う。FW藤井奨也が「ほとんどの選手がバッグを廊下に置いて、食べ終わってすぐにグラウンドに行こうとする」と話すように少しでも上手くなろうとする選手が多いのが特徴だ。

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他と違う点は授業開始時間の早さ。9時から始業という学校が多いが、他の部活を含め朝練のため早くに学校に来ている生徒が多い淞南の場合はサマータイムをヒントにし、8時30分から授業を行う。その分、部活も前倒しででき、14時に授業が終わると、14時半にはボールを蹴れるそうだ。練習で主に使用するのはチームバスで15分ほどの所にある市営の人工芝グラウンドだが、週2回はあえて校内にある土のグラウンドであえて練習することで、どんな状況でも技術を発揮できる選手を目指している。練習内容は、各々のアイデアとスピードを最大限に発揮できるようになるためのメニューが中心で取材日は3人組~5人組のシュート練習をハイテンションで行っていたぞ!

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学校から寮が近く、練習後30分以内に夕食が食べられるのも淞南ならでは。取材日は白身魚のコーンマヨ焼き、ほうれん草とささ身のさっと煮、焼きそばの3品を美味しそうに食べていたぞ。サッカー選手として成長するために大事な体重アップのためのルールも徹底されており、「お菓子を食べない、食事中は飲料を採らない、朝・晩必ず(ご飯を)3杯食べる、10時半には必ず消灯する、食事の時間を短縮する」というのは淞南で掲げられた5箇条だ。特に大変なのはご飯を3杯食べるというルールで、おかずを食べきってしまった時のために食堂に置かれた個人ロッカーに各自専用のふりかけなどを置いているそうだ。こうした取り組みのおかげで選手の身体つきは変化しており、「中学校とは違ってガタイが良くなった。体重も5キロは増えた」(DF山田祐樹)。

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 全国制覇をするためには、日本一の寮でなければいけないという考えから、上級生を中心に掃除の徹底を行うほか、怪我防止のために靴下を必ず履くなど細部まで徹底しているのも淞南らしさだ。コンディショニングの拘りも他チーム以上。普段から練習後には風呂で水に浸かり、疲労回復に励むほか、今年のインターハイでは梅干しや塩分タブレットも摂取した。スポーツ時に大切なアミノ酸を摂るための「アミノバイタル® プロ」も試合前の必需品で、「試合前に飲むと最後まで粘り強くプレーできる」(FW藤井奨也)、「試合が続いてもパフォーマンスを維持できる気がする」(MF山田真夏斗)と声を揃えていたぞ。また、身体だけでなく脳の疲労も和らげるために、大事な試合前にはスマホを回収し、早めに寝る準備もしているそうだ。

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 20時50分に点呼を終えてからは自由時間で勉強や筋トレなど各々に必要な取り組みを行う。仲間同士で他愛もない話をするほか、下級生の間で流行っているTWICEなどK-POPを聞く選手も多いという。サッカー漬の毎日を送る選手たちにとっては憩いの時間でもあるが、週に1,2回は3年生を中心に練習の良かった点と悪い点を話し合うなどミーティングの時間に充てている。

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立正大淞南の一日に密着した結果、「サッカーだけに集中できるめちゃくちゃ良い環境」(山田祐)で私生活の細部にまで拘った毎日を過ごしていることが強さの秘密だと分かったぞ!成長にどん欲な選手は現状に満足しておらず、「インターハイはベスト16で終わり、このまま同じ生活をしていてはそれ以上先に進めないことが分かったので、今まで以上の準備をしたい」(藤井)、「もう悔しい想いはしたくないので、私生活や練習内容をこれまで以上にしなければいけない。3年生とプレーする最後の大会なので、力になりたい」(山田真)と更なる成長と冬の躍進を誓っていた。