4年前に中辻喜敬監督が就任して以来、メキメキと力をつけ一昨年は選手権予選でベスト4まで進出。昨年は惜しくも2回戦敗退となったが、東福岡高校と善戦を繰り広げ、注目を集め福岡県の注目校、飯塚高校の選手がどんな1日を過ごしているのか、密着取材してきたぞ！

■寮生の一日のスケジュール
～06:00　起床
06:25　点呼・掃除・散歩
06:35　朝食
07:10～8時　朝練
08:35～15:20　学校
16:00～19:00　練習・自主練
20:00　夕食
20:30～22:45　入浴・洗濯・自由時間
23:00～06:00　睡眠

全国大会は未出場だが、飯塚が魅せるテクニカルなサッカーの評判は全国各地に届いており、北は青森県、南は宮崎県まで全国各地から入学してきている。サッカー部員71名のうち53名が暮らす龍王愛宕寮では、野球部の選手も在籍。学校の敷地内という恵まれた立地にあるため、ほとんどの選手が無遅刻無欠席で学校を卒業していくという。

寮生活では6時起床がルールで、点呼を済ませると2グループに分かれて、朝の活動を行う。1グループは配膳の手伝い、もう1グループは寮の掃除を行ってからグラウンドを散歩する。朝食を済ませると、7時10分から朝練を実施。身体をスムーズに動かすためのフィジカルトレーニングを1時間近くみっちり行い、強豪の選手に負けない身体を創っている。

朝練を終えると8時30分から15時20分までが授業時間。中辻監督の「教科書を疑え」との教え通り、選手はどの授業でも「なぜこうなったのか」考え知的好奇心を持って授業に挑んでいるという。6時間目の授業を終えると、放課後は練習時間。校内のグラウンドは土であるため、恵まれた環境を求めて、近隣にある天然芝グラウンドと人工芝グラウンドの2か所までチームバスで移動し、汗を流す。取材日はドリブルやリフティングなど飯塚らしい個のレベルアップに特化したメニューと共に、ゲーム形式でポゼッションの上達に励んでいた。サッカー"脳"力を鍛える理論的な指導は選手に好評で、MF原田泰知は「飯塚に来てからサッカーがめっちゃ分かるようになった。僕らは中学の時にドリブルに特化していたチームの出身が多いけど、ここに来てからドリブルだけでなく戦術も意識するようになった」と話していたぞ！

練習を終え、19時過ぎに寮へ戻ると20時からは夕食の時間だ。バイキング形式で選手が好きなメニューを好きなだけ食べられるのが寮の売りで、取材日は親子丼、椎茸の肉詰めフライ、豆腐ハンバーグ、ポテトサラダ、肉団子、焼き鮭、オクラの胡麻炒め、サラダ、みかんゼリーと9品ものメニューが食堂に並んでいた。選手に人気なのは唐揚げと麻婆豆腐で、ラーメンやうどんなど麺類が出てくる月曜日を楽しみにしている選手も多いという。サッカー部の選手は身体を大きくするため、朝は500g、夜は800gの白米を食べるのがルールで、全員がお茶碗に山盛りになった白米を美味しそうに平らげていた。

食後は22時45分まで入浴と洗濯を済ませると、就寝時間までは自由時間。それぞれが勉強したり、チームメイトの部屋に集まって、談笑したり思い思いの時間を過ごす。盛り上がるのは、日本代表の試合があるタイミング。部員全員が食堂に集まり、テレビ観戦で盛り上がるのが恒例で、ワールドカップの時は通学生からも羨ましがられたという。また、原田が「頭が良い人に勉強を教えてもらえるから、寮に入っていて良かった」と話すように仲間同士で支え合えるのも寮ならでは利点だろう。

東福岡を筆頭に全国クラスのタレントが多い福岡県内のライバルと張り合うために、身体作りに対する意識が高いのも飯塚の特徴だ。寮での自由時間に筋トレを行う選手が多く、DF下野友稜は飯塚に来てから6kgも体重が増えたという。原田も肉体改造の甲斐あって、足と腕が太くなり、持ち味のドリブルに磨きがかかった。また、コンディショニングに気をつける選手も多く、風呂上がりにストレッチに励む選手が多いのも龍王愛宕寮では定番の風景だ。スポーツで活躍するために重要なアミノ酸が摂れる「アミノバイタル® プロ」も必需品で、「高校に入ってから飲むようになった。試合の最後まで頑張れるようになったのはアミノバイタル® プロのおかげだと思う」（下野）。

飯塚の1日に密着した結果、充実したトレーニングと雰囲気の良い寮生活で磨いたチームワークが強さの秘訣だった。今年の目標は選手権初出場とプリンスリーグ九州への昇格。原田は「これまで負けてきたチームに勝てるようになったり年々、戦えるようになってきている気がする。昨年の東福岡戦も勝てると思っただけに悔しかった。今年こそは飯塚らしいポゼッションで相手を圧倒して勝ちたい」と意気込んでいたぞ！