2005年創部の若いチームながらも、選手権1回、インターハイ2回に出場。今年は、1期生の近藤健一朗監督の下、2度目のプリンスリーグ四国に挑むのが高知中央高だ。プロ注目の快速FWオニエ・オゴチュウクウ・プロミスを筆頭に個性派が多く集う四国の注目校に密着してきたぞ!

■寮生の一日のスケジュール
~07:00 起床
08:10 点呼・朝食
08:35~8:45 登校・読書
8:50~12:40(15:30) 授業
13:30(16:00)~15:30(18:00) 部活
18:00~19:00 食事
19:00~20:30 自主練・買い出し・点呼
20:30~23:00 自由時間
23:00~07:00 睡眠

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テクニカルなスタイルが評判を呼び、地元出身だけでなく、北は栃木県から南は熊本県まで全国各地から選手が集まっているのが高知中央の特徴で、サッカー部の寮には51人中31名が在籍。学校近くにあるサッカー部専用の寮は4人1部屋で、寮生に与えられた「元気で気持ちの良い挨拶をしよう!」といった7つのルールを守りながら、快適な毎日を過ごしている。

寮生の一日が始まるのは朝7時。起床して、身支度を済ませると8時10分に学校の食堂で点呼をとり、朝食を食べ始める。昨年までは毎朝、朝練を行っていたが、疲労回復とサッカーに対するモチベーションを保つため今年からは中止になり、前田航志は「朝練がなくなった分ゆっくり寝られるようになり、練習で身体をしっかり動かせるようになった」と口にする。

食事を済ませて、8時35分に登校するとそこからは10分間の読書タイムで、小説やサッカーに関する書籍を読むなど、それぞれが興味のある本を読む。8時50分からは授業がスタート。曜日によって机に向かう時間が違うのが高知中央ならではで、月曜日と木曜日は6時間目まで授業が行われるが、それ以外の曜日は4時間授業で以降はスポーツコースに在籍する部員は昼食を終えると、授業の一環として部活に励むことができる。

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学校にあるグラウンドは土で、フルコートのサイズが取れないため、Aチームの選手は毎日、自転車で5分程の場所にある市営の人工芝グラウンドに移動して練習を行う。ウォーミングアップを終えると、架空の敵を意識しながらドリブルの技術や間合いを身に付けるチーム定番のフリードリブルのメニューを実施。選手それぞれが思い思いに技を磨くと、週末の試合に向けた対策や、チームの課題を解消するためゲーム形式の練習に取り組む。取材日は、格上と対戦する四国総体の直前とあり、守備を意識したミニゲームに励んでおり、西出雄大は「ボールを奪われても相手の攻撃を一瞬で終わらせるように、切り替えの速さは練習でも試合でも意識している」と話していたぞ! 切り替えの速さや最後まで走り切れる体力を養うため、週に1回学校の周りをタイム以内に4周するトレーニングにも前向きに取り組んでいる。

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2時間ほどの練習を終えて、寮へ戻ると18時からは夕食の時間。バイキング形式で好きなメニューを好きな分だけ食べられるのが魅力だ。近森正久理事長自らが厨房に立ち、運動部に所属する部員全員の食事内容をチェックするため、選手の食に対する意識は高く、「栄養のことを考え朝昼晩共にサラダを食べるようにしている。晩御飯はバランスの良いメニューが提供されるので、全部のメニューを食べるようにしている」(西出)。この日は唐揚げ、ほうれん草のお浸し、ポテトとマカロニのサラダ、冷奴、昆布豆、みそ汁が提供されていた。一番人気は、飽きが来ないよう日によって味つけが変わる唐揚げだという。

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サッカー部としても練習終わりにプロテインを飲み、1週間に1度は体重と身長を測定するなど身体づくりに余念がない。「身体が小さいので大きくしたい。お腹が空いたらお菓子ではなく、ご飯を食べるようにしている」と話す前田のように補食に取り組む選手も多い。スポーツで活躍するために重要なアミノ酸が摂れる「アミノバイタル® プロ」も高知中央の必需品で、西出は「飲まなかった試合では途中で力尽きたけど、インターハイ予選の準決勝と決勝で飲んだら最後まで頑張れた」と口にする。チームで提供される分だけでなく、自ら購入する選手も多いようだ。

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食事を終えると19時からは20時30分の点呼を挟み、23時の消灯まで自由時間。寮生は洗濯と風呂を済ませるとそれぞれに与えられたエリアの掃除を行ったり、近所のスーパーまで日常品を買いに出かける。学校のグラウンドは遅くまで解放されているため、自主練に励む選手も少なくない。また、筋トレの器具や洗濯機などが置かれたフリースペースで日本代表の試合やワールドカップなどを観るのが寮生の楽しみで、6月に行われたキリンチャレンジカップのエルサルバドル戦で、同じ高校生年代のMF久保建英選手が日本代表デビューを果たした瞬間は大いに盛り上がったという。

オニエとオタボー・ケネスという二人のナイジェリア人留学生がいるため、日常から国際交流ができるのも高知中央の良さで、二人とコミュニケーションを図るため、英語が上達。前田は「この寮に入って、本当に良かった。帰ってきてサッカーの話ができるのは嬉しいし、自分で洗濯や掃除をしたり、これから社会に出て役立つことがたくさんある。通学生とは違って、先輩を近くで真似できたり、監督やコーチが寮に泊まり込んでくれているのですぐ相談に乗ってくれるのも寮の魅力」と口にしていたぞ。

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高知中央の1日に密着した結果、仲間と高め合える寮生活と身体造りに対する高い意識が強さの秘訣だと分かったぞ! 西出が「選手権では、絶対に高知で1番になりたい。インターハイは運動量が足りなかったので、これまで以上に意識を高く練習に励みたい」と意気込むように全国大会出場を逃がした夏のリベンジに燃えている。