前身の多々良学園高校時代も含め、選手権に25回出場するのが山口県の高川学園高校だ。2005年度と2007年度には選手権で3位となり、元日本代表のFW高松大樹選手(元・大分トリニータ)などJリーガーも輩出する中国地方屈指の伝統校の選手がどんな1日を過ごしているのか、密着してきたぞ!
■寮生の一日のスケジュール
~06:15 起床
06:55 朝食・点呼
07:30~8:10 朝練
08:50~15:20 授業
16:00~19:00 練習
19:00~21:00 自主練・洗濯・夕食
21:00 点呼
21:00~23:00 自由時間(入浴・個人練習・勉強)
23:00~06:15 睡眠
高川学園は、学校内と旧・多々良学園の施設内の2か所に人工芝グラウンドと寮があり、全国でも屈指の恵まれた環境でサッカーの打ち込めるのが特徴だ。学校近くにある瑠璃山寮は主にAチームの選手が生活をしており、プレーが認められるともう一つの志門寮から引っ越しすることになるそうだ。今回、ヤンサカ編集部が潜入した瑠璃山の一日が始まるのは、6時15分から。6時55分の点呼までに朝食や一日の準備を済ませると、7時半から8時10分まで朝練を行う。朝練は、パスやドリブルなど試合で活躍するための基礎技術を身につけるのが狙いだ。朝練が終わって、制服に着替えると、8時20分から通学してきた一般生徒を校門で迎え入れる「挨拶運動」を実施。DF田中誠太郎(2年)は、「挨拶をしっかり返してくれた時は嬉しい」と活動の喜びを口にする。
授業時間は、8時50分から15時20分まで。普段は6限目まで机と向き合うが、金曜日は4限目で終わるため、昼過ぎから練習に励むことができる。16時からの練習では、チームの伝統である前からのアグレッシブなボール奪取と、最終ラインからのボール回しを磨くためのトレーニングを徹底して行う。毎週火曜日には、充実した設備が揃う筋トレルームでフィジカルトレーニングやウェイトトレーニングを行うなど技術を存分に発揮するための、身体作りも疎かにしない。田中は「夏になると相手チームが走れなくなるけど、自分たちは最後まで落ちずに戦い続けられるのは、身体作りをしっかりやっているおかげだと思う」とトレーニングの効果について話す。
練習が終わって、すぐに校内の食堂で夕食を食べられるのも育ち盛りの選手にはメリットで、21時までであれば、自分が好きなタイミングで食事ができる。取材日のメニューは、豚肉の香草パン粉焼き、塩焼きそば、コーンサラダ、納豆、味噌汁の5品。生野菜・御飯・汁物は食べ放題なのも嬉しいポイントだ。選手に好評なのは唐揚げで、出てくる日を心待ちにしている選手も少なくない。MF奥野奨太(1年)は月に1回、提供される山口県の名物・瓦そばが大好物だという。身体を大きくするため、ご飯を3杯以上食べる選手が多いのも高川学園ならではの光景だ。たんぱく質をより多く摂るため、自らプロテインや納豆、サラダチキンを用意する選手も多い。そうした食に対する意識の高さもあり、田中は高校に入ってから、身長が12cmも大きくなり、体重も7kg増えたという。
21時に点呼を済ませると、23時の消灯時間までは自由時間。田中と奥野は、21時半まで部屋で体幹トレーニングを行う。チームカラー同様に毎日を全力で過ごす選手にとっての癒しの時間は、大浴場での入浴だ。選手の多くが日々の疲れを流した後に、30分間しっかりと時間をかけてストレッチをするようにしているという。ちなみに、田中が暮らす201号室は寮監を務める江本孝監督の隣の部屋であり、代々その年のエース格が住む特別な部屋で、入り口には先輩たちの想いが書かれた部旗が飾られていたぞ!
ただ鍛えるだけでなく、コンディショニングに対する意識が高い選手が多いのもチームの特徴と言えるだろう。高川学園では全ての試合でリカバーに重要なアミノ酸が摂れる「アミノバイタル® プロ」をチームから提供されるほか、個人で購入し、日常から摂取する選手も多い。「飲んだ日は気持ち的に軽くなる」と話すのは奥野。田中も、「高川が、他のチームより後半に強いのはアミノバイタル® プロのおかげでだと思う」と続ける。
高川学園の1日に密着した結果、身体作りとコンディショニングに対する意識の高さが強さの秘訣だと分かったぞ!昨年度の選手権は、上位進出を狙いながらも、仙台育英高校に0-1で敗れ、2回戦敗退。田中は、「勝てる試合を落としたのが悔しい。また、1年後同じ舞台で結果が残せるようにこの一年頑張りたい」とリベンジを誓う。奥野は「インターハイ予選のメンバーには入れたけど、冬は怪我でメンバーから外れて悔しい想いをした。今年はスタンドじゃなく、選手権のピッチに立てるよう頑張りたい」と意気込んでいたぞ!