12連続出場中のインターハイでは、2009年度に準優勝を達成。県大会を10連覇中の選手権でもコンスタントに上位に顔を出すのが、鳥取県の米子北高校だ。全国大会での活躍と共に選手の育成にも優れており、これまでに日本代表のDF昌子源選手(ガンバ大阪)、高卒2年目ながらもFC町田ゼルビアの副将を託されるMF佐野海舟選手など7名のJリーガーを輩出。上位進出が期待される今年の選手権でも、活躍が期待される選手が数多くいる。中国地方の高校サッカーを牽引する米子北の選手たちがどんな一日を過ごしているのか、密着してきたぞ!

■寮生の一日のスケジュール
06:30~07:30 起床・朝食・学校の準備
07:30~08:00 朝練
08:40~14:45 授業
15:15~18:15 練習
18:15~18:00 自主練
19:00~20:40 夕食・入浴・洗濯・筋トレ
20:40~22:00 勉強
22:00~22:15 点呼・掃除
22:15~23:00 自由時間
23:00~06:30 睡眠

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全国大会での活躍を目指し、関西圏を主に北は群馬県、南は沖縄県まで全国各地の選手の選手が米子北の門を叩いているのが特徴だ。部員の半数近い57名が寮生で、校内にあるサッカー部の専用の寮と野球部と暮らす近隣にある寮の二か所に別れて生活している。校内にある寮には40名が在籍。現在は新型コロナ感染対策のため、全員が1人部屋で暮らしているという。

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寮生の一日は6時30分の起床後に朝食を食べる所から始まる。密を防ぐため、3グループに分かれて、1つのテーブルにつき3人が順番に朝食を食べるのが寮のルール。それ以外の選手は学校の準備や身支度を済ませる。7時30分から行う自主練は、自分と向き合う時間だ。それぞれが自身の課題を克服するため汗を流しており、MF竹中元汰(3年)は「ミドルシュートが上手くなるよう拘って練習している」、MF﨑山友太(3年)は「ゴール前での強さが足りないので、DFと1対1をして、良い形にシュートまで持って行けるよう自主練をしている」と口にする。

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 グラウンド整備を終えて教室に移動すると、8時40分から授業開始。「なるべく授業の中で先生が話されたことを理解すれば、テストの点数も良くなると思うので、集中して授業を聞いている」(竹中)、「先生の言われたことをノートにまとめようと意識している」(﨑山)と声を揃えるようにサッカーに打ち込む時間を増やすため、真剣に机に向かう選手が多い。

14時40分に6限目を終えると掃除とロングホームルームを済ませ、15時15分から練習がスタート。基本的には校内にある土のグラウンドでトレーニングを行うが、火曜日と木曜日は近くにある人工芝グラウンドに移動して、トレーニングを行う。代名詞である堅守速攻を磨くため、切り替え、球際、運動量、アプローチの4つをテーマに掲げて練習に励むのがチームの特徴。強度を高く維持するため、ウォーミングアップのブラジル体操から選手全員がしっかりと声を出し、雰囲気を盛り上げる姿は高校サッカーらしさがいっぱいで、好感が持てる。最後まで戦い続ける体力を備えた選手が多いのも特徴で、毎週火曜日には練習後にスプリント走を実施。足腰を鍛えるため、週に1度は近くの砂浜でダッシュも行う。「練習からしっかり頑張らないと、試合で自分のパフォーマンスが出せない。自分たちは全国の強豪と比べて技術はない。その部分を補うのは4つのテーマや走りの部分だと思う」と話すのは竹中。一年目は粘り強さが課題だった﨑山も3年間のトレーニングによってプレーの逞しさが増している。

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常に全国大会での活躍を意識する選手が多いため、カラダ作りに対する意識も高い。練習の前後には寮の舎監を務める井田正晃氏手作りの特大おにぎりを1ずつ食べる。タフな練習に必要なエネルギーを蓄え、カラダ作りのゴールデンタイムと呼ばれる練習後30分以内に栄養補給を行うためだ。加えて、﨑山と竹中は自分に必要な1日のたんぱく質を計算し、自ら用意したサラダチキンやおにぎりを小まめに口にするようにしているという。また、練習後に近くのジムで筋トレを行う選手も多い。井田氏はホテルの料理長を務めたことがある人物であるため、毎食のご飯も絶品。「井田さんが毎日献立を考え、栄養価の高い物を食べさせてくれている。何を食べても美味しいし、カラダも大きくなった」と話す﨑山は高校に入ってから、筋肉量が増えた結果体脂肪率が下がり、当たり負けしないカラダになったそうだ。

日頃の食事で補えない栄養素を摂取できるプロテインも選手の必需品で、チーム全員が「アミノバイタル® アミノプロテイン」を愛用している。試合前のコンディショニングに昨年から飲み始めた﨑山は「ベストな状態で試合に挑める、トレーニングによるカラダ作りに欠かせない存在。レモン味でサッパリしていて、気軽に飲めるのも嬉しい」と口にする。竹中も練習後にチームから支給される物に加え、「吸収が早いと聞いた」ため、お休み前にも摂取。牛乳や水で溶かさずに飲めるスティックタイプで、シェイカーが不要であるため、遠征先などにも持って行きやすいのも好評だ。

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 米子北の強さの秘訣は練習から高校サッカーと真剣に向き合う熱さと、それを可能にするカラダ作りへの意識の高さだと分かった。「今年は新型コロナのせいでインターハイがなくなった。例年より公式戦が少ない分、選手権にかける想いは強い。自分たちの持ち味を存分に出して、一つでも多く勝ちたい」(竹中)、「昨年の選手権は何もできないまま終わり、悔しい想いをした。選手権で活躍するしか成長した姿を示せない。全国大会では昨年からの成長をチーム全員で見せ、日本一になりたい」(﨑山)と高校最後の晴れ舞台での活躍を誓った。