27年ぶりの選手権出場を果たし、注目を集めているのが秋田の明桜高校だ。前校名時代に3度の選手権出場を果たしたが、近年は全国最多の選手権出場回数を誇る秋田商業高校の壁を破れずにいた。しかし、2018年度に国見高校やヴィッセル神戸U-18での指導経験を持つ原美彦監督が就任すると風向きが変化。テクニックと判断にこだわりながら、全員攻撃全員守備の意識を求めるスタイルの浸透でチームが上向きとなり、四半世紀以上閉ざされていた全国大会への扉を開いた。今後更なる飛躍を遂げそうな注目校の選手がどんな1日を過ごしているのか、密着してきたぞ!

■寮生の一日のスケジュール(6時間授業の場合)
~07:00 点呼・朝食
08:30~15:30 授業
15:45~18:00 練習
18:00~19:00 自主練
19:00~20:00 入浴・洗濯
20:00~20:30 食事・点呼
20:30~22:00 自由時間
22:00 点呼
22:30~06:00 睡眠

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明桜には北は北海道、西は兵庫まで多くのエリアから選手が集まり、地元出身選手と切磋琢磨しながら、全国大会での活躍を目指している。「秋田は遠いし、選手権出場から遠ざかっているチームだったけど、面白そうだと感じた。原監督がこれから明桜の歴史を作ると言っていたので、自分も一緒に頑張りたいと思った」。そう話すMF内藤蒼空(2年)は、ヴィッセル神戸U-15出身。DF長江慶次郎(2年)は名古屋グランパスU-15で、中学時代に指導を受けた原監督を慕って、秋田へとやってきた。彼らが暮らす寮は、学校敷地内の好立地。選手は、7時の朝食を食べ終えると、身支度を済ませて8時15分までに学校へと向かうのが一日の始まりだ。「早起きしたせいで授業が疎かになるのは高校サッカー選手として認められない」と原監督は考えるため、朝の自主練は選手の裁量に任されているが、6時に起きてボールを蹴る内藤のような選手も少なくない。

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取材日は、8時半のホームルームから6時間目が終わる15時過ぎまでが授業時間。月、火の週2回は、7時間目の授業がある。サッカーと勉強を両立させる重要性をスタッフから教わっているため、全員がしっかり授業と向き合っているという。授業を終えた15時45分からが練習スタート。短い時間で、質の高い練習に取り組むのが明桜の特徴で、この日も、強度の高いメニューを2時間ほど集中して取り組んでいた。スタミナ面を身につける場合も、ボールを使いながらも心拍数を上げるメニューがほとんどで、内藤は「中学の時は、動きながらボールを貰うプレーが苦手だったけど、ここに来てから成長できた。運動量は高校に入ってから伸びた部分だと思う」と口にする。選手権出場が決まってからは、目標であるベスト4入りを目指し、全国基準の守備強度を求められるようにもなった。ナイター設備が完備された人工芝のグラウンドが2面あるため、練習後は自主練に励む選手も多い。高校で左SBからCBにコンバートされた長江は、練習後の時間を有効活用。「ヘディングが苦手だったけど、自主練を続けた結果、できるようになってきた」と口にする。

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1時間ほど自主練に励んだ後は、寮に戻って風呂と洗濯を済ませ、20時半に行われる一度目の点呼までに夕食を済ませる。食事は管理栄養士が手掛け、栄養を意識しながらも高校生がおいしく食べられる物ばかり。 取材日もプルコギ風の肉炒め、ミックスサラダ、ご飯、味噌汁、納豆の5品目を美味しそうに頬張っているのが印象的だった。内藤は、「肉汁がいっぱいでジューシー」というハンバーグ。長江は、トンカツがお気に入りのメニューだ。大きめの茶碗に盛った玄米を食べるのが寮生の食事風景で、「中学時代はあまり食べられなかったけど、高校に入ってから食べる量が増えた」と長江は体重が増加し、対人プレーに強くなった。また、内藤は「朝食もしっかり食べるようになり、午前中から身体が動くようになった」と口にする。

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2人とも中学までは身体作りに対する意識が高くなかったが、高校では大きく変化。内藤はチームで行う筋トレに加え、オフの日に自重の筋トレを欠かさず実施。長江も、食後の自由時間に体幹トレーニングを行うだけでなく、週に1度はウェイトトレーニングを行うようになった。身体を鍛えるために、日頃の食事で補えない栄養素を摂取できるプロテインも必需品になっている。選手に好評なのは、練習前や就寝前に摂取する「アミノバイタル® アミノプロテイン」。長江は「水分に溶かして飲むタイプだと、お腹がいっぱいになり、ご飯を食べるのが辛くなる。でも、アミノバイタル® アミノプロテインはスティック状で水が少量で済むのが有難い」と口にする。食事に響かないサッパリとしたレモン味であるのも、選手に好まれるポイントだ。また、内藤は「持ち運びやすいのが便利で良い。試合の時にシェイカーに入れて持ち運ぶのは不安なので、スティックタイプなのは有難い」と続ける。

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2人の1日に密着した結果、サッカーに打ち込める充実した環境と練習内容が急成長の要因だと分かった。チームに新たな歴史を刻む選手権出場を果たしたが、満足した様子は見られない。「チームとしてベスト4以上を目指さなければいけない。2回戦で市立船橋という強豪と対戦できるチャンスがあるので、そこで勝って注目を集めたい」と話すのは、長江。内藤も「全国という舞台を楽しみながらプレーしたい。今まで支えてくださった人たちに恩返しできるプレーを見せて、明桜旋風を巻き起こしたい」と口にする。東北からの地から、高校サッカーに新たな風を巻き起こせるか、彼らの選手権での活躍に注目だ!