2連続で選手権ベスト4進出を果たし、注目を集めているのが新潟県の帝京長岡高校だ。代名詞といえる阿吽の呼吸で繰り出すコンビネーションの崩しに魅了される人は多く、昨年度は数百名近い入部希望者が殺到した。これまでもMF小塚和季選手(川崎フロンターレ)を筆頭に多くのJリーガーを輩出してきたが、全国でも屈指の強豪となった近年は昨年、U-17日本代表候補に選ばれた松村晟怜(3年)を筆頭に在学中に世代別代表に選ばれる選手も増えている。全国大会での結果と選手育成の両立を果たす帝京長岡の選手たちがどんな一日を過ごしているのか、密着してきたぞ!

■寮生の一日のスケジュール
05:30~06:00 起床・朝食・学校の準備
07:00~08:15 朝練
08:30~15:10 授業
15:25~15:50 捕食
16:00~18:30 練習
18:30~21:00 自主練・身体のケア
21:00~22:00 風呂・食事
22:30~05:30 勉強・睡眠

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下部組織である長岡JYFCを筆頭とした新潟県内の選手に加え、北は山形県、南は沖縄県まで全国各地から選手が集まっているのが帝京長岡の特徴だ。県外生は4月以降、新たに完成するサッカー部専用の寮で生活をするが、完成を間近に控えた取材当時は学校近くにある8つの下宿先に分かれて、共同生活を実施。主将のDF三宅凌太郎(3年)とDF小林飛翔(3年)が暮らす下宿先では、5人の選手が共同生活を送っている。

彼らの一日が始まるのは5時30分。朝食と身支度を済ませて、朝練のために6時には学校を出るのが日課だ。普段は自転車で通学するが、冬場は通学路に雪が積もるため徒歩で30分ほどかけて学校に向かうのも雪国ならではの大変さだ。ウォーミングアップを終えると、7時から朝練がスタート。朝練は自主練というチームが多いが、帝京長岡は個人技術に重点を置きながらも、みっちりチーム練習を行うのが特徴だ。8時過ぎに練習を終えると、着替えを済ませて授業に励む。サッカー部の選手が多い総合コースは、8時30分から行う朝の読書時間と学活を終えると、15時10分までが授業時間。「サッカーだけやっていれば良い」との考えは通用せず、授業態度が悪かったり、提出物がちゃんと出せていなければ、いくら上手くても試合には出られない。そのため、きちんと勉強に向き合う選手が多いのも、帝京長岡のらしさだ。

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授業後に学校近くにある食堂で補食を済ませるの。これまでは練習前に購買でおにぎりや唐揚げを買って、小腹を埋めていたが、練習が終盤に差し掛かると、どうしてもお腹が減り、力を出し切れなかった。しかし、2月に補食を取り入れるようになってからは、最後まで力を出し切れるようになった。出来立てのメニューをバイキング形式で自分に適した分量だけ食べられるのも、選手にとっては嬉しいポイントだ。

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16時からの練習では、止める・蹴るといった基本技術に磨きをかけながら、帝京長岡の代名詞であるコンビネーションでの崩しを身につけるため、狭いエリアでのポゼッションや複雑な形でのシュート練習に汗を流す。詳しい練習メニューは動画で紹介しているので、ぜひ前編の記事もチェックして欲しい。入学した当初はレベルの高さに戸惑う選手が多いが、日々のトレーニングの積み重ねてによって、「ボールを受けようと身体が自然と動くようになる」(三宅)。小林も「細かいエリアでのパス回しが上手くなった」と続ける。上手さが印象に残るチームだが、「ボールを握らないと自分たちのサッカーはできない」(三宅)ため、ボールを失ってから回収するまでの速さや球際の強さなど泥臭い部分も手を抜かないのも印象的だった。

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 本気でサッカーと向き合う選手が多く、暖かい時期は21時近くまでチームメイトとボールを蹴る選手が多い。冬場は帰宅するまでの時間がかかるため早めに切り上げるが、近くにある整骨院で身体のメンテナンスを行うなど常に100%の力を出すために余念がない。21時に下宿先に帰ると風呂を済ませて、食事の時間。三宅と小林が過ごす下宿先では、寮母さんが食べ盛りの子どもたちの箸が進むメニューを毎日、考案。取材日は、豚の生姜焼きとサラダ、チキンナゲット、山芋の短冊切り、リンゴといったメニューを美味しそうに平らげていた。選手に好評なのは、毎週金曜日に出されるカレーで、週によって辛さなどが違うため、飽きが来ないのが嬉しいという。身体を大きくするために、丼で白米も食べる選手も多い。

日頃の食事で補えない栄養素を摂取できるプロテインも選手の必需品だ。三宅と小林は高校入学後にチームから支給されるプロテインを摂取したのを機に興味を持ち、自ら購入するようになった。練習後や食後と就寝前の間に摂取することが多く、入学後に約5キロも体重が増え、当たり負けする回数が減ったという。「アミノバイタル® アミノプロテイン」も好評で三宅は、「水に溶けやすくて飲みやすいし、味も美味しい」とコメント。また、小林も「口の中でダマにならず、飲みやすいのが嬉しい」と続ける。二人が好印象を抱くのは、牛乳や水で溶かさず飲めるスティックタイプである点だ。これまでシェイカーがかさばるため、荷物が増える遠征にはプロテインを持って行かないことが多かったが、「これなら遠征先にも持って行けるので嬉しい」と声を揃えた。

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 食事を終えると勉強を終えて、22時半にはベッドに入る。万全のコンディションを保つため、食事と睡眠はしっかりとるようにしている。オフの日も、「サッカーが好きな選手が多いのでよくボールを蹴っている」(三宅)と365日常にサッカーと真摯に向き合っているからこそ選手が成長し、全国大会で活躍できることがよく分かった。

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