ポカリスエットとヤンサカによるコラボ企画として、高校生プレイヤーの潜在能力を引き出すためのスペシャルトレーニングを行った。トレーニングを受けたのは、攻撃的なサッカーで知られる九州の強豪、神村学園高校(鹿児島)。筋力、瞬発力、持久力に分かれた3ジャンルのスペシャリストを先生として迎え、汗を流した。取り組んだメニューは、いずれも普段できない専門的なものばかりで自らの潜在能力を引き出そうと、全員が真剣に取り組んでいたのが印象的だった。深港壮一郎選手は、「速いFWに負けないフィジカルやスピード、最後まで走り切るためのスタミナなどサッカーに活かせることばかりだったので、学んだことを今後も意識したい」と口にした。

■筋力
最所に行ったのは股関節を柔らかくするストレッチだ。体勢は仰向けとうつ伏せの2種類。共に肩を地面につけた状態で、股関節を左右に七回ずつ股関節を曲げる。一見、サッカーと無関係に見えるが、股関節が堅い選手はシュートがまっすぐ飛ばないという。深港壮一郎選手が「普段からウェイトトレーニングをしているけど、柔軟性はまだ足りない」と苦笑いしたように、肩がつりそうになる選手が続出したが、隈元聖也選手が「股関節を動かすのは普段、意識していなかったので、勉強になった」と続けたように、選手にとっての実りが多いメニューとなった。

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竹井歩
東京を中心に関東で活躍するストレングス&コンディショニングコーチで、過去にはプロサッカー選手のフィジカルトレーナーも経験。学生時代は、順天堂大学大学院のスポーツ健康学科で博士前期課程を修了している。

■瞬発力
「C・ロナウドやネイマールは芝生の上でも。陸上選手と同じフォームで走っているから、良いプレーが出来ている」と秋本真吾先生が選手に伝えたように、サッカー選手としての潜在能力を引き出すために、正しい走り方は欠かせない。練習では、秋本先生が見本を見せながら、走るための正しい姿勢をチェック。全身を一直線に保つことがポイントで身長測定をイメージし、くるぶし、腰、肩、耳の4つが一直線になるよう意識した。かかとを上げて、少し前傾姿勢で走ることも大事で、深港選手は「練習中に速くなっていくのが、分かった」と口にした。

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秋本真吾
陸上選手として活躍し、高校時代には400mハードルでインターハイに出場。現在はプロのスプリントコーチとして、Jリーガーやプロ野球選手などのアスリートから子どもまで幅広い層に正しい走り方の指導を行っている。

■持久力
「きつい時こそ走れるチームでありたい」(深港選手)チームにとって、持久力のアップは欠かせない要素だ。雨のため体育館の中で行った今回は、20mのシャトルランを実施。20秒以内に2往復し、10秒の休憩を挟んだ後に再び全力で走るメニューを4セット行った。きついメニューであるため、終盤になると速さが落ちる選手が目立ったが、試合と同じように練習も最後まで一定以上の速さで走らなければいけない。スピードを保つためのポイントは走る際の姿勢で、松村拓希先生は「しんどい時こそ正しいフォームを意識しよう」と選手にアドバイスした。

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松村拓希
駒澤大学時代は日本インカレの10,000メートルで優勝。全日本大学駅伝では区間新記録の更新も経験している。現在は東京国際大学駅伝部のコーチとして後身を育てながら、陸上競技の中長距離走の指導も行う。

<トレーニングを受けた選手のコメント>

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坂ノ下陸(GK・3年)
速くなりたいと考えていましたが、これまでは自分の感覚だけで走っていて、スプリントを理論的に教わってきたことがないので、とてもタメになりました。実際にやってみると足が跳ね、前に進む感じが実感できました。

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深港壮一郎(DF・3年)
昨年、怪我でサッカーが出来ない間にフィジカルを鍛えたら、怪我する前より良い動きが出来るようになりました。フィジカルの大切さは他の選手より分かっていると思うので、今日のメニューはとても勉強になりました。

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島田龍也(DF・3年)
持久力のメニューで行った連続で走り続ける動きは実際の試合でもありますが、それよりもきつかったです。ただ、インターハイ予選で連戦もありますし、最後まで走れないと失点するので、学んだことを続けていきます。

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隈元聖也(MF・3年)
僕は足があまり速くないので、正しい姿勢や走り方を教わった瞬発力のトレーニングは勉強になりました。トレーニングを受けたことにより、身体のバネを使えるようになったので、以前よりも速く走れるようになりました。