みなさんは、試合で実力を発揮できなかったことはありませんか。

その試合後には、「どうして、あんな相手に負けたんだろうか?」「負ける要素はなかったのに」「うちのほうが、実力が上なのに」などと言いわけをした経験はありませんか?また指導者も「なぜ、負けたのかわからない」など不思議がっていませんか?しかし、試合で負けたのであれば「弱いから、負けた」という事実を受け止めなければなりません。

そこで、「何が弱かったのか?」という分析をして欲しいと思います。上の言い訳から見えてくることは、技術面や体力面を考えての言葉のように感じます。私たちは、サッカーの試合で勝つためには、「心技体のバランス」が必要だと考えています。そうすれば、毎日の練習で身につけた技術や体力を試合で発揮する心理面のトレーニングをどうしているのだろうかという疑問が出てきます。伝統的に、日本のスポーツ界では、技術や体力面のトレーニングは、時間をかけて実施しているのですが、実力発揮を目的とした心理面(メンタル面)強化のトレーニングは、ほとんど実施しされていない現実にぶち当たります。しかし、指導者たちは、心理面の重要性は理解しているかのように、「集中しろ」「やる気を出せ」「気持ちを切り替えろ」「頭を使え」「生活態度をしっかりしろ」「チームワークが重要だ」などと毎日のように口にします。

ここで質問です。あなたは、「集中しろ」「やる気を出せ」「気持ちを切り替えろ」「頭を使え」「生活態度をしっかりしろ」「チームワークが重要だ」と言われて、集中の仕方・やる気の出し方・気落ちの切り替え方・頭の使い方・チームワークの高め方を指導してもらったことはありますか?またなぜ、生活態度をしっかりしなければいけないのかの納得した理由の指導をうけたことはありますか?たぶん、多くの選手は「知らない」と答えるのではないでしょうか。また指導者に聞いても、明確に答えられないかもしれません。

そこで、今回から、このコラムの中で、メンタル面強化をどのようにすればいいのかを、スポーツ心理学のメンタルトレーニングという分野から紹介していくことにします。このコラムやQ&Aを通して、日本のサッカー界では、ほとんど普及していないメンタルトレーニングに興味を持って、あなたの上達に役立てて欲しいと思います。