<質問>
一流のサッカー選手やスポーツ選手は集中力を高めるために試合前にどんなことをしていますか。

<回答>
ところで、あなたは「集中力」という意味を理解していますか?
スポーツの世界では、当たり前に使われる言葉ですが、コーチも選手もその意味をわかっていないことが多いように感じます。あなたの思っている「集中力」とは、どんな場面でどのように使うものですか?

簡単に言えば、「あなたの意識や気持ちが何かにとらわれている状態」が集中だとすれば、サッカーにおけるPKの集中と試合中におけるシュートを狙う集中でも、違う集中が必要になると考えられませんか?

専門的には、集中を「注意のコントロール」という表現をしたり、広い集中・狭い集中・内的集中・外的集中と区別し、選手はその状況においてその集中の仕方を切り替えていると考えます。どうですか?難しいでしょう?

しかし、ここでは理論的な説明をしても意味がないので、単に集中力を高めるといっても深い意味やその状況によるいろいろな方法があると理解してください。

サッカーは、基本的に広い集中が重要です。11対11で22名が常に動いている状態では、敵や味方などの動きを見ながら広い集中をし、その中で戦術におけるパスやシュートを考える(イメージ)時は内的な集中、PKでは1対1の狭い集中など、選手はその場に応じて違う集中をしていると理解してください。そのためにその場に応じた集中をしなければ使えないために、毎日の練習で集中力を高めるトレーニングが必要になります。

ここでは、詳しく説明することはできませんが、一般的な集中力の高め方は、リラクセーションというプログラムを実施し、静かな状態で集中する方法があります。
また走ったり、動いている状態での集中力を高める方法があります。みなさんがすぐできるのが、ポジティブな声(大きな声・呼吸法)で集中する方法があります。

たとえば、ブラジル体操をするときに大きな声を出して、気分を乗せると同時に集中する方法です。人間は、気分がのり、楽しく感じた時、集中力が高まります。つまり、練習を好き・楽しい・面白いと感じ、もちろん試合も好き・楽しい・面白いと感じた時に集中したプレーができているはずです。

またチーム全員で楽しく、気持ちののる声がけ、円陣を組んでの全員での声がけにいくつかの動作を加えて、チームが集中できる「チームルーティーン」という方法もあります。

個人的には、プレーをする前に一定の動作や手順を行う「プリ・パフォーマンス・ルーティーン」という方法があります。これは野球のイチロー選手が行う「バット回し」のような一定の動作で、これをすることで意識を集中していくという方法です。

他にも、呼吸、目を使う、動作を使う、自信をつける、気持ちを切り替える、試合を想定した練習をする、プラス思考、イメージを使う方法などありますが、やはりメンタルトレーニングの専門家に直接指導してもらうほうが効果的だと思います。

集中力を高めることは、毎日の練習や生活でメンタルトレーニングを実施して、そのスキルを身に着け、トレーニングする方法をお勧めします。魔法やインスタントはないと理解してください。トップ選手のやり方をまねすることはいいことなのですが、その選手が身につけた集中力を高める方法(努力・トレーニング)をまねして欲しいと思います。