<質問>

集中力が足りなくつまらないミスをしてしまうことが多いです。集中力を高め、持続させるにはどうすればいいですか?


<回答>

あなたは、「集中力」という意味を理解していますか?

国語辞典によると、集中とは「1か所に集まる(集める)」であり、集中力という言葉は国語辞典において説明されていないのです。

スポーツ界では、気持ちの集中・意識の集中という意味で使われているケースが多いようです。また「爆発的な集中力の発揮」とか、「集中力を高める」というように心理(メンタル面)のテクニックとして、集中力という言葉が使われています。

特に、プレーと連動して、「ボールに集中」「集中して練習する」などという使われ方をしていると思います。

メンタルトレーニングでは、この集中・集中力は心理的スキルのひとつとして、集中力のトレーニングとして選手がその能力をのばすために「トレーニング」できるという考え方をしています。たとえば、サッカーにおける「調子の波」の理由を「集中力の差」だと考え、あなたの集中の度合いで調子の波ができるということです。このことから、集中力を高めるトレーニングを実施して、この調子の波をできるだけ少なくすることができるという考えができるわけです。

この集中力の究極が「ゾーン」とか「フロー・ピークパフォーマンス・火事場の馬鹿力」などと言われる理想的な心理状態があります。これは、適度な緊張とリラックスの状態という最高のパフォーマンスを発揮できる心理状態のことを言います。メンタルトレーニングの目的のひとつにこのゾーンを作り、実力を発揮するというものがあります。

このことからも、試合での実力発揮には、集中力を高めることが重要なトレーニングとなります。

ここで紹介するのは、

①呼吸法として、深呼吸の吐く息に意識を集中する方法
②呼吸と身体の動きに意識を集中する方法
③PKなどの時に、シュートが入る成功イメージに意識を集中する方法
④練習・試合場のどこかに見る点を決めたフォーカルポイントという目を使った集中方法
⑤練習中に音楽をかけたり、試合場の歓声を流しながら練習する妨害法
⑥声を出すという呼吸法での集中法

などがあります。


ここでは、すぐできる声を出すことで意識を集中する方法を紹介します。

サッカーでは、なぜ声を出すのか理解していますでしょうか?ここでは、メンタルトレーニングの理論から「声を出す」事について、説明していきます。

メンタルトレーニングには、集中のスキルがあり、このスキルを強化するために「集中力のトレーニング」を行います。集中力を高めるには、いろいろな方法があるのですが、その中には「呼吸」を使用した集中力強化の方法があります。この声を出すことは呼吸法のひとつとして考え、呼吸の仕方(声の出し方)で集中力を高めます。

たとえば、どんな声を出すかで集中の程度も変わります。最初に、PKのゴールキーパーを考えてください。

①声を出さずにPKを蹴る選手の動作にあわせるように構えてください。
②次は、同じように静かに「よし!」と言って、構えてください。
③今度は、少し大きい声で「よーし!」と言って構えてください。
④最後に、かなり大きい声で「よっしゃー!」と言って構えてください。

いかがですか?
①~④と集中が高まっていくことを感じていただけましたか?

このように声を出す(呼吸の仕方)事で集中力を高めることも可能です。チームメイトとのコミュニケーションも重要ですが、ひとり言としての声だし「OK!」「ナイスプレー!」「次!次!」などので集中力を高めることも可能です。

サッカーは、試合や練習時間が長いために集中力を維持することは不可能です。そこで、集中を高めて、抜いてのくり返しが必要です。その時に、声、呼吸、目線、態度(上を向く)、顔のマッサージなどで気持ちを切り替えたり、集中力を高めることができます。

他にも、プリ・パフォーマンス・ルーティーンというテクニックもありますが、ここでは、詳しく説明できませんので、「基礎から学ぶ!メンタルトレーニング(ベースボールマガジン社)」や「今すぐ使えるメンタルトレーニング:選手用(ベースボールマガジン社)」などを読んでください。