<質問>

中学三年生です。 あるJクラブのユースチームでは、週に一回ものすごい距離を走ってからすぐに紅白戦をしているようです。それだけ走ると、走力がついて試合でも走り続けられると思うしメンタル面も鍛えられると思います。でも、長距離を走ってもサッカーでは使えない体力だ、という意見もあります。中学年代の自主練習では、走った方がいいのでしょうか?


<回答>

国が変わればその国独自のトレーニング文化が存在します。それは、その国のそれまでの歴史、慣習、環境、選手達のレベルなどに違いがあるからです。私はこれまでに日本人以外では、南米はブラジル、アルゼンチン、ヨーロッパではイングランド、スロベニアの監督、コーチの方々と仕事をしてきましたが、トレーニングの考え方、組み立て方、負荷のかけ方、指導の仕方等、皆それぞれに違いがあります。日本においても、日本人のトレーニング文化があります。つまり、それぞれのチーム・選手には、それぞれの課題があり、その課題を克服するためには様々なトレーニング方法があるということです。質問にある、そのJクラブのユースチームにはそれなりの課題があって、それを克服するために、そういったトレーニング方法を選択しているのだと思います。

中学生の時期は発育発達の面から見ると、持久的な能力が発達する時期ですが、トレーニングのやり過ぎにも特に気を付けなければならない時期です。一方、サッカー的な面から見ると、技術的にも戦術的にもジュニア世代からユース世代につなげていくための継続的に取り組むべき課題があります。サッカーのゲームはフルコート、11対11であれば70〜80%が有酸素運動ですので、ゲームをしていれば持久的なトレーニングもしていることになりますし、技術的、戦術的なトレーニングも同時に行えます。また、オーガナイズの仕方によって、持久力+技術、持久力+戦術というトレーニング方法はたくさんあります。週に何回自主練習の時間があるかわかりませんが、今の自分に一番必要なトレーニングは何かということを自ら問い詰めたり、監督・コーチに聞いてみたりして、取り組むべき課題を明確にしてみてください。そしてその課題を克服するための自主練習の時間にしてください。今、何をするのが一番良いのか?という思考回路はサッカーの試合での状況と同じですよね!