<質問>

自分の身体の重心やバランスの取り方が正しいかどうか、わかりません。変な癖があると、修正が大変だと思いますので。


<回答>

適切な重心の高さやバランスが取れている時の動きというのは、どこに動くにも非常にスムースで力みがありません。これに対してあなたの動きはどうですか?常に力まず速く動けていますか?本来は実際の動きを見れたらよいのですが、今回は文面だけなので、よく目にする状況をピックアップしてみます。

まずは重心の高さに関して。特にオフ・ザ・ボールの構えの時などは、重心が低過ぎる局面を多く目にします。一番低く構えた状態から少しずつ高さを上げていった時に、どの高さが一番次に動きやすいか試してみてください。もしかしたら普段の重心より高い所にそのポイントがあるかもしれません。また、動きやすい構えは、正面を向いて真っ直ぐに構えた場合、肩と膝と拇指球が地面とほぼ垂直のラインに並びます。膝が拇指球より前に出ていたり、肩が前に傾き過ぎていたり、反り過ぎていたりすると、無駄な力を使ってしまうだけでなく、動きも遅くなってしまいます。つまり、これはバランスの悪い状態だと言えます。更にスタンスに関しては、広くすると安定感は増すかもしれませんが、それはその場のバランスのみで、次への動きを考えると肩幅から靴一足分外側辺りに適切なスタンスがあります。そして、全方向に対して動きやすくバランスを保つために、上半身は正対し、下半身は半身で構えて拇指球で身体を支えます。

次に腕の使い方に関して。動く時、蹴る時、跳ぶ時、相手と競り合う時など、ほぼ全ての局面でバランスを保つためには腕を上手く使うことが大切ですが、そうでない局面も多く目にします。誰でもその場で片足立ちをするとバランスを保つためにカカシのように腕を張ります。プレー中もほとんどが片足支持の状態なのですが、動き出すと急に腕が上手く使えなくなってしまうのです。動く時に腕を上手く使えなければバランスを保つことは難しくなります。蹴る時も、腕から上半身を上手く使えず脚だけで蹴っていると大きな力を発揮できないだけでなく、内転筋や恥骨結合部に過剰なストレスがかかってしまい、それを続けているとグローイン・ペインになる確率も高くなります。跳ぶ時も脚だけで跳ぼうとすると高さが出せないだけでなく、空中のバランスも取れなくなります。空中で相手と競り合う局面ではなおさらです。地上でも相手と競り合う時に腕を上手く使えるかどうかでその局面は全く違う状況になります。代表的な局面を挙げてみましたが、もしこれらに該当する動きがあるようでしたら、改善できるように取り組んでみてください。そして、これらの観点を持って、自分の動きを映像で確認してみてください。そうすることにより、今抱えている自分の動きに対する不安は解消されると考えます!