<質問>

下半身強化のために何をすればいいか教えて欲しい。


<回答>

下半身を強化する方法は幾つかありますが、ピッチレベルで実施出来る効果的な方法をご紹介したいと思います。


まずは、自体重でのスクワットとレッグランジ、そして股関節の外旋。スクワットは、空気椅子に座るように膝を90度に曲げた状態で少しだけ上下動させます。ランジは片方の膝を前に出して90度に曲げた状態で同様に動かします。股関節の外旋は、足を肩幅より広くし、両つま先を外側に向けて膝が90度になるように腰を降ろしていき、その状態をキープします。30秒〜60秒を1〜2セットで始めてみましょう。もっと短い時間で行うと膝・股関節周りを安定させるウォーミングアップとしても活用出来る非常に基本的なトレーニングです。


次は、レジステド・ランと呼ばれる方法で、チューブで走りの動きに抵抗を加えて負荷をかけるトレーニングです。専用のチューブもありますが値段が高いので、自転車のチューブをカットして使っても同様の効果が得られます。100年以上の歴史を持つブラジルでは、「サッカー選手はチューブを枕元に置いて寝る」と言われるくらい代表的なトレーニングとして取り入れられています。2人1組になり、前の選手の骨盤辺りにチューブを当てて、後ろの選手が両手でチューブを引っ張りながら進んで行きます。実施する際には、両選手ともフォームに気をつけなければなりません。前の選手は前傾し過ぎず、実際の走りのフォームで進んで行きます。後ろの選手は、膝とつま先が同じ向きのままチューブを引っ張りながら進んで行きます。これにより、前の選手は下半身の裏側を、後ろの選手は下半身の前側を強化することが出来ます。実施する秒数やセット数は選手の筋力レベルによって異なるので、トレーニング翌日の筋肉痛の状態によって増減して調整していきます。まずは4〜7秒を4本位から始めてみると良いかもしれません。前方向だけでなく、横向き、後ろ向きで行うバリエーションもあります。レジステド・ランは実際の動きに直接負荷をかけられるので非常に有効なトレーニングとして私も実施しています。実施のタイミングとしては、ゲームの2日前までには終えて回復期を確保してください。


今回はピッチレベルで実施出来るトレーニングを2つ紹介させて頂きました。ウエイト・トレーニングをする設備がなかったり、筋トレに多くの時間をかけられない環境にある場合には、非常に有効なトレーニングです。是非試しに実施してみてください。初めて行うと、少ししか実施していないのに翌日、翌々日の筋肉痛が凄くて、その効果に驚くかもしれませんよ!