<質問>

僕はボランチとフォワードでプレーしています。最近、球際の強さを求められます。なので、球際でのプレーが強くなるには、どのような練習をすれば良いのですか?


<回答>

現日本代表監督のハリルホジッチさんが日本の課題として挙げた『球際の強さ』。この言葉を聞くと、ただ激しさや強さだけを求めてしまいがちですが、それでは球際に強くなりません。私が考える球際に強くなるためのキーワードは『奪いにいく決断力』と『コンタクトスキル』、そして『スライディングのテクニック』。

これまでの指導の主流は、相手の顔が下がる距離まで寄せる、ボールをコントロールできている選手に対しては足を出さない、仕掛けてきてボールが足元から離れたところを奪いに行く、背中を向けた選手に近付きすぎない、といった部分が強調されて、奪いにいける局面で決断して全身で奪いにいけていない局面を多く目にします。また、絡め取るとか、脚の間から突く、といった言葉もあまり聞かれません。では、球際に強い選手達はどのようにしてボールを奪っているでしょうか?

奪いにいける局面では、素早く決断して一気に身体ごとボールにコンタクトするか、相手とボールの間に最も安定した姿勢で自らの身体を入れ込みます。また相手にアプローチしていく際も、寄せきって脚を出して絡め取ります。例え一度交わされかけても鋭いターンで食らいついていったり、スライディングで弾くか巻き取ります。背中を向けた相手に対しても僅かな隙間があればそこに脚を入れ込んでボールを突きます。

奪いにいく決断力を磨く、決断したら一気に身体ごと奪いにかかる、重心を平行移動させて身体を入れ込む、絡め取れる距離まで寄せきってみる、ターンとスライディングのテクニックを磨く、突く隙を見つける。これらを実戦で出来るように日頃のトレーニングから取り組んでいくことが、球際に強くなるための道だと思います。決断して、奪いに行って交わされてしまった。では、どこの判断が間違っていたのか。失敗を恐れず、その後の修正を繰り返しながら、球際の強さを身につけていってください!