<質問>

ボールを使ってのフィジカルトレーニングが知りたいです。


<回答>

フィジカルには様々な要素がありますが、今回は運動強度の違いからトレーニングの例を挙げていきたいと思います。強度の低い方から3つに分けます。

まずは、心拍数は少し上がるけれども、運動し続けられる強度の有酸素系トレーニング。次に心拍数とスピードが上がり、乳酸で脚が張ってきて、更に強度が上がると脚がパンパンになって動けなくなる強度の乳酸系トレーニング。そして、心拍数は上がらないけれど、100%に近い速さで動くスピード系トレーニング。

有酸素系の例としては、四角形〜六角形のそれぞれの場所に選手を配置して、コントロールからパスして移動、を繰り返すようなパス&コントロールのトレーニング。辺の長さや配置する人数によって心拍数の上がり方が変わります。多少の幅はあるにしても10分〜20分程の時間を続けて行うことにより有酸素能力の向上が期待できます。

乳酸系の代表的なトレーニングとしては、1対1から4対4程の少人数でのゲーム形式が挙げられます。脚が張って動けなくなる手前で区切り、それを休息を挟んで何回か繰り返します。戦術的な要素が入ってしまうと心拍数を上げきれないような場合には、細かいステップとパスを繰り返すようなアジリティ系+ボール、というトレーニングもあります。マーカーや短いラダーでステップを踏んでパス、パスをしたら直ぐにステップ、という形式で20秒〜30秒間繰り返し、休息を挟んだ後、ステップの種類を変えて何種類も行っていきます。脚が張ってきてもステップの質を落とさないように実施することが大切です。

サッカー選手は、先にあるボールに向かって走る時にトップスピードに達します。2人が横並びになり、その間からボールを出し、相手より先にボールに触れるようにスプリントする。ボールを転がす距離を変えることにより、スプリントの長さも変化させます。また、スペースに出されたボールに向かってのスプリントからシュート、スペースへのクロスに対するスプリントからシュート、といった形式もスピードが出せます。

このように、強度の違いでトレーニングを分けて考え、それをサッカーの局面に繋がるように、ボールを使ったフィジカルトレーニングを行っていけると効果的です!