近年、アスリートにとって『食事の重要性』が見直されてきている。火付け役となったのが、テニスの世界チャンピオン、ジョコビッチ選手が出した「ジョコビッチの生まれ変わる食事」という書籍だ。グルテン不耐症(小麦アレルギー)だったジョコビッチは、ピザやパスタ、パンといった、小麦が含まれる食材をすべてカット。そうしたところ、体調が劇的によくなり、体重も落ち、神経も研ぎ澄まされ、数々の世界大会でチャンピオンに輝くようになった。

サッカー界では、ペップ・グアルディオラ監督の食事改革が有名だ。バイエルン・ミュンヘンの監督に就任以降、試合前に清涼飲料水、菓子パンを食べるのを止めさせ、チームに栄養士を帯同させた。ホームゲームのときは、試合終了後1時間以内にスタジアム内にあるラウンジで、炭水化物とタンパク質が含まれた食事やフルーツを摂ることを義務付けた。また、香川真司選手が所属する、ボルシア・ドルトムントのトゥヘル監督も、選手たちに食事面でアドバイスをし、フィジカルフィットネスを向上させているという。

アスリートとして知っておきたいのが、食事を摂るタイミングだ。練習後、30分以内に炭水化物や糖質、ビタミンを摂ると、疲労回復に効果的と言われている。練習後におにぎりやオレンジジュース、ゆで卵などを食べている中高生も多いだろう。

近頃、「糖質オフダイエット」が流行しているが、成長期にある中高生は、身体を動かすためのエネルギー源であり、筋肉を作るために必要なタンパク質を送り込むための動力でもある糖質(ご飯やパスタ、うどんやパンなどの炭水化物)は積極的に摂りたい。

現在、ドイツのブンデスリーガで活躍する、ある日本代表選手の高校時代の食事を見たことがあるが、1日にどんぶり飯8杯を食べていた。その選手は高校時代から筋肉隆々で、年代別の代表にも選ばれるなど、持ち味であるフィジカルを活かして、試合中何度も上下動を行っていた。炭水化物は身体を動かすエネルギーになるので、とくに成長期の中学生、高校生はたくさん食べておきたい。

とはいえ、どんぶり飯だけでは完璧な栄養とは言えない。以前、メジャーリーグでプレーするダルビッシュ有投手が、自身のツイッターで「日本人は圧倒的にタンパク質が足りない」と投稿し、話題を呼んだが、筋肉を作るためにタンパク質は欠かすことができないものだ。

タンパク質は肉や魚、卵、納豆、チーズなどの製品に多く含まれており、タンパク質と炭水化物をバランス良く摂ることが大切だ。「食べるのもトレーニング」という言葉があるが、とくに育ち盛りの中高生こそ、食事に目を向けたい。コンビニでインスタント麺や菓子パンを食べるなら、おにぎりや魚肉ソーセージ、ゆで卵を選ぶ。「人間の身体は食べたもので作られる」と言われているが、身体が日に日に大きくなる成長期こそ、身体に良いものを摂取して疲労回復に務めるとともに、パワーアップしてライバルに差をつけよう。