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【川崎フロンターレU-18】強くて魅力的。目指すのはトップチームと同じ形

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「止める、蹴る」の技術を徹底的に突き詰める。それがフロンターレスタイル
Jリーグでも優勝争いを繰り広げている川崎フロンターレのアカデミーである川崎フロンターレU-18は、「プリンスリーグ関東」を戦っている。現在は10チーム中9位。苦しい状況に強いられているが、首位との勝ち点差は6。追い付き、プレミアリーグへの昇格を勝ち取る可能性はまだまだある。それに、日本クラブユースサッカー選手権の関東予選を勝ち進み、全国大会の切符も手にした。
ここから再浮上を狙う川崎フロンターレU-18が行っているサッカーは、トップチームと似たような、"止める、蹴る"の技術を徹底的に突き詰めて細かいパスをつなぎながらゴールに迫っていくもの。

「このまま(U-18から)上がれば当然、トップでサッカーをやることになります。ですから、トップのサッカーを意識しようとしています。強くて魅力的な、人が流動的に動いているあのサッカーは、形が決まりきっているわけではないぶん、育成の中では難しいんです。ただ、そういうトップと同じサッカーに挑戦することで、選手にも下部組織の選手だという自覚も出ると思っていますし、選手にとっても入りやすいと思っています」

こう語るのは川崎フロンターレU-18を率いる今野章監督。練習では少人数でのパス練習にはじまり、ハーフコートの攻撃練習、紅白戦など至る局面で選手たちにトップチームと同じように"崩していく"ためのヒントを提示している。
「みんながイメージを共有しないとできないサッカーなので、難しさはあります」と語るのは2年生でボランチを務める村田聖樹選手。とはいえ、「最初の方はなかなかシュートまでいけなかったんですけど、ここ最近はクロスを含めての崩しからペナルティエリアに進入することもできるようになっています」とキャプテンで10番を背負う田中碧選手は語る。日々の練習から崩しの技術が高まっている実感を得ており、やりがいを感じているという。

チームの今年の目標は、プレミアリーグ昇格とクラブユースでのベスト8。攻撃的なサッカーに自信と誇りを持って、フロンターレらしいサッカーでの勝利を目指す。
(エル・ゴラッソ川崎F担当 竹中玲央奈)

■選手紹介
MF 田中碧(3年)
今季のキャプテンであり10番を背負うチームの絶対的支柱である田中選手の武器は「決定的な縦パスをうまく出しながら、守備ではボールを奪うというところ」。特にボール奪取能力には自信を持っており、攻守両面でチームを引っ張っている。来季のトップ昇格候補筆頭でもあり、要注目の選手だ。各年代の代表にも選出されている。

メント
「3年になってから、責任感が大きくなりました。今までは周りに引っ張られてやってきたのが、自分たちが引っ張らなければいけないですし、結果も残さなければいけないという感じで、プレッシャーを感じていますけど、ここ最近は良い方向にプレッシャーが向いていると思います。最初は結果を出さなければいけないというのがあって、うまくいかないときなどはイライラしたりもしたんですが、目先の勝利が一番ではない。最後に一番になっていることが目標です。たとえ流れが悪くても、チームとしてどうやっていくのかというのをやってきたおかげで、ここ最近は勝てているのかなと思います。昨季とは違って、今季はどちらかというと個よりもチームの連携や崩しに特長があります。一人ひとりの能力が高いわけではないですけど、基本技術はしっかりしているので。自分たちがやりたいサッカーというか、フロンターレらしい繋ぐサッカーができるのかなと思います」

MF 村田聖樹(2年)
1年生からボランチで試合にも出場し、チームの主力として活躍する村田聖樹選手。決して大きく目立つプレーヤーではないながらも、卓越した止める、蹴るの技術でボールを動かしチームの攻撃のリズムを作ります。今季開幕前には、田中選手とともにトップチームのキャンプに参加をした。
コメント
「フロンターレのイメージ通りの細かいパスを重視しているチームです。今季はそれに加えてワイドを使いながらの攻撃にもチャレンジしています。楽しさを感じながらやれています。ただそのぶん、みんながイメージを共有しないとできないサッカーなので難しさはあります。個人としては、調子が良いときは球離れが良くてテンポよくボールにも絡めますし、自分はほかの選手よりも昔から"止める、蹴る"を重視してやってきました。今でも、そこを大切にしています。トップチームでは大島僚太選手を手本にしています」

FW 宮代大聖(1年)
中学3年時から川崎フロンターレU-18の試合に出場し、得点も決めてきた"規格外"のストライカーがこの宮代選手。「自分にプレッシャーをかけて、今までもやってきましたし、これからもそうしていくつもりです」と自分への厳しさを貫く彼の武器は抜群の得点感覚。まだ1年生でもあり、今後のチームだけでなく日の丸を支える存在になる可能性も大いにある。U-16日本代表。
コメント
「自分が主力となってやるべきことをやっているという意識が、今季はより高くなりました。プレッシャーというよりも自分がやらなければいけないということですね。周りからというよりも、自分でプレッシャーをかけて今までもやってきましたし、これからもそうしていきます。やっぱり、自分がチームを勝たせるという気持ちを持ってやることが大事なのかなと思います。FWなので、1試合1得点という意識はもってやらなければいけないし、FWとして得点をとって貢献をしなければいけないと感じています。決定的なところを決めきる力や背後への動き出しは自分の特徴です。(U-16日本代表でも試合に出ていて、感じている世界との差は?)フィジカルですね。体幹はどうにでもなるかと思うのですが、スピードとかはどうしようもない、持っているものがもともと違うので。技術やそういう部分で埋めていかないといけないと思います」


取材・記事/エル・ゴラッソ川崎F担当 竹中玲央奈

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