<質問>

ボールを持ったときの切り返しや、ディフェンス時に逆を突かれた時に踏ん張りがきかなかったり滑ったりすることがあるのですが、どのような筋トレ・練習をすればいいですか?


<回答>

質問にある内容のことは非常に多く見られる現象です。日本人は細かく素早く動けるアジリティの能力が優れていると言われていますが、このレベルは更に上げていくことが可能な課題です。


踏ん張りが効かなかったり滑ったりしてしまうのは、身体の使い方、接地の仕方、力の入れ方を改善すれば解決出来ます。例えば、前向きの状態から後ろに進もうとする時につま先を正面に向けたまま後ろへ行こうとすると膝が曲がってしまいタメができてしまい踏ん張りが効かなくなります。逆を取られた時も構えたままの状態で相手に付いて行こうとしても進行方向に対して力が入らず踏ん張りが効かなくなります。また、横に進もうとした時に最も力が入るスタンス(足幅)より広い所に接地してしまうと摩擦力が弱くなりスリップしてしまいます。ぬかるんだピッチでいきなり大きな力を発揮して進もうとしてもスリップします。


では、どうすればよいのか?


後ろに進もうとする時に、つま先を正面に向けたまま接地してしまうと膝にタメができて踏ん張りが効かなくなるので、つま先を少し斜めにして接地すれば膝の構造上斜めには屈曲しないのでタメがなくなり踏ん張りが効くようになります。逆を取られた時も進みたい方向に力が入るように素早く踏み替えることができれば踏ん張りが効くようになります。左足を前に出した半身の姿勢から相手が左側へ抜けて行こうとした時に右足のつま先を10時の方向に向けて接地できれば相手に抜かれる回数は劇的に減ります。


スリップしてしまいそうな局面でもピッチの状態に合わせたスタンスと力の入れ方を調整すれば滑らなくなります。これが身につけば雨の日でもジョギングシューズを履いて滑らないでプレーをすることができるようになります。一度、雨の日にジョギングシューズを履いて鬼ごっこやサッカーをしてみて下さい。そして滑らないで動けるようにスタンスと力の入れ方を調整してみて下さい。やってみれば、どういうことかすぐにわかりますよ!この感覚と動きを身に付けたらプレーは確実にレベルアップします。一日でも早く身に付けてサッカーに取り組むことにより、選手としての到達点を1ランクも2ランクも上げることが出来ますよ!


※これらの課題は多くのプロや代表選手でも抱えているのが現状です。日本代表がヨーロッパのぬかるんだピッチでゲームをした時に同じような現象を目にします。Jリーグでも渇いた芝の上でもスリップしてしまったり、逆を取られて対応できなかったりする局面を多く目の当たりにしています。何故なら、この課題を克服するための原理原則に基づいたトレーニング方法が普及していないからです。私はこの問題を解決するためにタニラダー・メソッドを世の中に送り出しました。これは特別なものではなく、動きの原理原則を紐解いて、整理し、トレーニングに繋げて効果を得ようとしたものです。このメソッドの実践により多くの選手達が、課題を克服し、動きのレベルを上げています。是非、取り組んでもらえることをお勧めします。