中高生選手はもっと、
道具を大切にすべきだ
スパイクのケアに関する講習会などに参加することも多い、松浦氏。中高生の選手たちと話をすると、あまりに道具を大切にしていない選手が多いことに驚いてしまうという。
「中高生にサッカーが終わった後、何をする?と聞くと、水分補給、ストレッチ、何を食べるといった答えが返ってきます。じゃあ使ったウェアはと聞くと、洗濯すると。汚れたカラダはと聞くと、シャワーで洗うと。じゃあスパイクは?と聞くと、ハっとしてしまう選手が多いんです。スパイクは一緒にプレーする重要な道具ですよね。また明日も良いプレーをしようと気持ちをこめてスパイクを磨くのは大切な習慣です。磨き上げたスパイクで翌日の練習に望むのは気持ちのいいことだし、ケアをすることでスパイクはグンと長持ちするんです。自分の体の一部だと思って、大切に扱ってほしいですね」
松浦氏がプロ意識を学んだ一人に三浦カズ選手がいる。クラブにプロホペイロの必要性を訴えたのもカズ選手だったという。
「以前同じチームにいた時、カズさんが僕に、スパイクを新しいものに取り替えたいと言って来たことがあった。いつ?と聞いたら、一週間後、とカズさんが言ったんです。そのタイミングが替え時だとカズさんは考えたからです。つまり、一週間先にスパイクの状態がどうなっているかを考えていた訳です。スパイクを大切にしない選手は皆、下手クソとは思わないですが、Jで長く続けられる一流の選手はほとんどの場合、道具に気を使って大切にしています。スパイクも自分の体も丁寧にケアするという、繊細な気持ちがプレーに表れるということもあると思います」
次ページでは、特別な道具がなくても毎日、家で出来るスパイクのケアについて、教えてもらうことにした。
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Noriyoshi Matsuura
松浦紀典
名古屋グランパスプロホペイロ
日本人初のプロホペイロとしてJリーグで唯一の存在。03年からは名古屋グランパスで選手をサポート。Jリーグ優勝、ACLへの参戦など、数々のシーズン、名勝負を影で支えてきた。
[オフィシャルサイト]
http://www.roupeiro.com/
フリーマガジンSpike!掲載内容より転載