選手やマネージャーだけではない、インハイ神奈川予選の覇者、創英高校の宮澤崇史監督に熱い思いを語ってもらったぞ!(企画・構成/MCタツ)
タツ:夏のインターハイは2回戦で米子北にPKで敗れました。大会を振り返っていただけますか。
宮澤監督:インターハイは選手権に向けて自分たちの力を試す場所だということで臨んでいました。もちろん勝負にはこだわっていましたが、確認する場という意味合いがありました。全国でも通用することがわかりましたし、夏場の苦しい中でもボールを動かせるし、守備も徹底してやれました。米子北は中国プリンス1位ですから、そういった強豪相手にこちらが主導権を握りながらゲームを進められたことは評価しています。一回戦の那覇西も二回戦の米子北も相手をシュート4本に抑えました。自分たちが積み上げてきたものをある程度表現できたと思っています。ただ、あくまで選手権に向けてですね。
タツ:創部15年で、この群雄割拠神奈川で優勝してインターハイを決めたことは凄い結果だと思います。中学時代に全国を経験した選手がいないと伺いましたが、その中でどのようにして強いチームを作ってきたのでしょうか。
宮澤監督:スカウトはしていますが、全国レベルに出ている子たちは桐光や日藤にいってしまいます。5番手、6番手の選手がうちには来ます。特別大きな能力を持った子たちはいませんので、能力に頼ったサッカーをしていません。メッシがいなくても、クリスティアーノ・ロナウドがいなくても、守備をまず徹底する。メッシもボールを持たせなければメッシではない。クリスティアーノ・ロナウドもそうですね。そういった選手たちにボールを持たせなければ相手の戦力をダウンさせることができる。これはサッカーが唯一のスポーツだと思っています。相手にボールを持たせる時間を少なくして、自分たちがボールを持っている時間を多くする。自分たちがボールを持っていればシュートを打たれることはないので、ボール保持率が高ければ当然勝率もあがってきます。
タツ:なるほど。ポゼッションを高めるために、どのような指導をされていますか。
宮澤監督:ボール保持の仕方は「難しいことをしない」というのが大原則です。うちはキーパーをいれてポゼッションするので必ずどこかで数的有利は作れています。そこにどんどんボールを動かしていく。前に行けなくても失わければどんどんボールが後ろに行く。相手にストレスが溜まって、前に出てくるぐらいまで後ろで回します。とにかくボール保持にこだわることと、相手の戦力をダウンさせるために守備で徹底する。そういうやり方をしています。
タツ:今のミニゲームをみていても、縦パスが入ったときの守り方はかなり激しいなという感じがしました。そこは強く指導されているのでしょうか。練習でもかなり激しいですよね。
宮澤監督:横は取れなくても縦は絶対取れといっています。激しく行くことは練習内でも徹底しているところです。ただ、今日はこれでも甘いですね。
タツ:あれでも甘いんですね。激しいミニゲームのあとに最後にさらにダッシュをやっていました。かなりきついメニューだったと思いますが、今はどんな時期なのでしょうか。
宮澤監督:今は選手権に向けてあげている時期です。10月22日の試合に合わせてコンディションを調整しています。もう一回落として、また試合前にあげる感じですね。夏は急激に上げたので、9月はクールダウンして、またここから上げていっているところですね。
タツ:今選手たちは結構きつい時期ですね。
宮澤監督:彼らはサッカーは下手ですが、理解力は凄くある子たちです。言ったことは理解してくれるので、その気になってやってくれています。
タツ:選手権に向けてですが、今後はマークされる存在です。
宮澤監督:自信はあります。ガチャガチャした試合で勝負するのではなく、うちのスタイルである"きっちりしたボールゲーム"をできれば勝率はあがります。それができなければ勝率は下がります。ただ、「頑張ろう、頑張ろう」、「勝とう、勝とう」ではなくて、しっかりと自分たちがやってきたボールゲームを試合で実践できるように準備して、選手たちがそれを表現してくれれば、チャンピオンは十分狙えると思っています。
タツ:自信があるということは、インハイからの積み上げも手応えがあるということですか。
宮澤監督:特別新しいことを取り入れた、というのはありません。短い距離のパスの精度をあげることをやってきました。インターハイのときよりも精度はあがっているし、連携もよくなっています。仕上がりは22日に蓋を開けてみてですね。
タツ:ありがとうございます。選手権期待しています!