ナイキのプレミアムクリニック「NIKE ACADEMY TIEMPO MASTERCLASS」で監修をする岩政大樹さんにインタビューしたぞ!
参加した、関川郁万(流通経済大柏)と馬目裕也(尚志)についても、いろいろ話してくれたぞ!
Q:それぞれのトレーニングのポイントは?
「今日は、僕が作ったメニューではなくて、ナイキアカデミーの作ったメニューを少しアレンジしました。前から繋がっているところがあるので、そこを触りながら、彼らの現状を知るということからスタートしました。
そこがメインでしたけど、ファーストディフェンダーとセカンドディフェンダー、よくボールにもっと行けよって日本だと言われ、ボールを取りに行く意識が少ないと言われますけど、ボールを取りに行ける状況ではないのに行ったってしょうがない。
じゃあいついけるんですか?ってことをもっと具体的に把握しなければいけなくて、ファーストディフェンダーとセカンドディフェンダーの最低限のルール作りからですね。まだプロではないので。ビルドアップの時の立ち位置、基本的なことです」
Q:横からのディフェンスが日本はあまり強くはないというのも意識されたトレーニングメニューだったのですか?
「最後のもそうですね、クロスに対して。ただ、二人ともそんなにクロスからの対応はトレーニングされていると。一日見ただけで大きく変わるわけではないですけど、少しずつ見たなかで、出た場面に話すぐらいでしたね」
Q:二人に対して具体的にどういった話をしましたか?
「一番は、攻守においての立ち位置と、守備のビジョンつくりです」
Q:日本の選手はどうやって守備のビジョンを作っていけばいいのでしょうか?
「1人1人が生み出すしかないです。いろんな人からヒントをもらいますし、いろんな人の守備のやり方を見ながら、自分で作り上げていくものです。
いずれにしても、その視点を持たないと話にならないので、守備にビジョンが必要だという視点を持たなければ、そういう風にサッカーを見ませんから。
同じ試合を観戦する、同じ練習をする、その中で、一つの景色をみんな同じ風には見ないんですけど、その景色を見たときに、ただ単に一対一を頑張ったけど負けましたみたいな話ばかりをしていたら、守備のビジョンなんて話にはならないわけで自分で考えなさいって言ったとしても、作らなきゃいけないというのを与えなければ、まずそれを考えないですから。
サッカーの場合、攻撃の選手でも2、3分しかボールを触らないと言われていて、守備の選手なんてもっとボールを扱わないじゃないですか。
相手が扱っているのを取りに行くのが仕事ですから、そうなるとそれ以外の80何分を守備のビジョンに則ってポジションをとっているわけです。
そのたくさんの時間の中で、何を考えるかっていうのは局面の勝負の話じゃないわけですから、それぞれが作っていくということは、一つの経験を掘り下げていって考えていく作業。これしかないです。正解もないですし」
Q:岩政さんが高校や大学の時から考えてやっていたことなんですか?
「僕もやっていましたけど、遅かれ早かれ直面しますから。
守備者としてプロで極めていくのであれば、少なくともビジョンがなくて世界に勝つことは出来ないです。
黒人選手みたいな身体能力の高い選手を10年後、日本が集められていればいいですけど、そうでないのなら、全員が繋がって守備をしなければ、相手に対応できない。
そうしたら日本の天井から映し出されるものと考えると、いずれプロで世界を目指すというのであれば、そこに長所を見出していかないと世界で残っていけるわけがないですし、いずれ直面するんだったら、(プロは)順応する時間を待ってくれる世界じゃないですから、それだったら今から考えておきましょうということで、それは今見つかるものでもないけれども、そういう見方を与えなければ、彼らは与えられないまま人にずっと考えろ、考えろと言われたところで、考えるべきことを知らないで考えることはできないので、そういうところが一番ですかね」
Q:それぞれを見てみて、彼らの特徴や改善すべき点と感じたことは?
「(関川)郁万君はバネがあるし、ヘディングが好きなんだろうなと。あとはマーキング、特に空中戦でのマーキングは好きなんだろうなと、特徴があるなと思います。
馬目は、動じないものがありますよね、自分のペースを乱されないというか、攻守においてですけど、自分のリズムを持っている選手。
二人とも高2なので当然なんですけど、周りを動かすことや、局面以外での役割という面ではもちろん課題はあるんですけど、局面になればだれもが頑張るので、そこの精度はプロに上がったら自然に上がるものです。
やはりそれ以外、ファーストディフェンダーではないときの役割が上がってこないと、最初に言いましたけど、最終的にはセカンド・サードがいなければファーストディフェンダーはチャレンジできないわけですから、周りがカバーしてくれているから、チャレンジができる、だからもっと強く行けるということなので、その周りにチャレンジさせてあげる役割というのがまだまだ、自分のビジョンを作るというのにまだ目が行っていないので。ビジョンがない限りそれはできないですから」
Q:このトレーニングを通じてビジョンを作らせてあげて、そこをさらに強化させたいあげたいという狙いですか?
「両面ありますね。さっき彼らにも言いましたけど、ビジョンを作るっていうのは5年、10年かかってやっと作れるものだし、もっと言うと僕も今も少しずつ書き変えているものでもありますし、ずっと積み上げていくものですから。
ただ、ビジョンを作らせるつもりはありません。その視点を与えるということはしますけど、今の段階で、大きく変わるわけではないですけど、その視点があるよっていうことを伝えながら、局面での対応の仕方や、今日の最初にやった背負った相手への対応の仕方をしました。
やはり局面のところを強くしなければ、まずプロで試合に出ることは出来ないですから。いくらサッカーを知っていますといったところで、サッカー評論家がプロになれるわけではないですから(笑)。まず、その局面のところをどのように対応すれば、相手にチャレンジしながら上手く対応できるかというところ。まず方法論でいうと、局面の話の方が多くなるとは思いますけど、ただ両面ありますから守備は。両面からアプローチします」
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