<質問>
夏場の走り込みで、良いメニューがあったら教えてください。
<回答>
どのチームも夏休み真っ盛り。この時期は普段に比べて、トレーニングや試合の時間を多く確保できます。ただし、そこには落とし穴があるので、気をつけなければなりません。
たくさんトレーニングして、パフォーマンスを上げたい。しかし、トレーニングの成果を得るためには、身体にかかった負荷と同等のエネルギーを摂取して、回復させることが絶対条件となります。
夏場の食欲減退感とトレーニング量のバランスが重要になるのです。多いトレーニング量→食欲減退→体重減少=筋肉量の低下→パフォーマンスの低下→怪我、という流れにならないように気をつけます。パフォーマンスを上げようとしているのに、怪我をしてしまい、プレーできなくなってしまうことは避けなければなりません。
つまり、この時期に最も重要なことは、『量より質』。暑い中で、いかに集中してサッカー的なトレーニングをして、個人としてもチームとしても、サッカーのパフォーマンスを上げられるかどうかということ。サッカー的なトレーニングの時間を削ってまでも必要な陸上的な素走りのトレーニングであれば良いのですが、そのメニューが思い浮かびません。
例えば、ピッチのゴールラインからゴールラインまでのダッシュを何本も繰り返すのなら、自陣からのカウンターのトレーニングを様々なパターンで繰り返し、精度を上げていき、それをゲームにつなげていこうと考えます。素走り系は、みんなで頑張った感は得られるかもしれませんが、判断を伴っていないので、ゲームに活かしていくためには、更にサッカー的なトレーニングをプラスしなければなりません。
そうした時に、落とし穴である、過負荷(トレーニング量>食事量)→体重減少→パフォーマンス低下につながらないようにすることが、夏場のコンディショニングの重要なポイントとなります。なにも全てのトレーニングを暑い中で行う必要はありません。太陽の日差しによる消耗を避け、日陰で、筋力系やバランス系、アジリティ系のトレーニングに取り組んだりすることも有効です。多く確保できるトレーニング時間をどのようにデザインしていくのか。この取り組みができるかどうかで、夏場のパフォーマンス・アップに大きな差が生まれてきます。
我々のチームは夏場に強く、その勢いを秋も継続していくシーズンが多いのですが、そこにはこのような考え方による取り組みがあるからだと確信しています。夏場のトレーニングを工夫して、この時期から年内を良いコンディションでプレーし続けていけることを願っています!
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暑い夏場で走り込むにはどんなメニューがいいですか?
フィジカル2017.07.11