自分は「中心選手なんだ」と思い込む。

「"自分が勝ちたい"と思っていれば、自分の目標を達成するために、仲間の助けも求めるようになる。例えば、"オレは攻守のかなめとして存在感を発揮したい。だけど前線の選手が守備を限定してくれないとオレの長所が生きない。だから、前線の選手にはこう動いてほしい"となれば、それぞれがお互いの良さを引き出し合うことにもなるでしょう。あるいはFWの選手が"とにかく自分が勝ちたい"と考えていれば、攻められっぱなしの試合だから棒立ちになってしまうという状況にはなりません。とにかく勝ちたいわけですから、勝利するために自分ができる前線の地道な守備であったり、相手のパスコースを限定する動きであったり、間接的なチームへの貢献をしようと努力する。サッカーってポジションが決まっているので、自分の役割はここまで、と錯覚しがちなんですよね。だから逆サイドで起こっていることは自分に関係ないと思ってしまうことも多い。でも、"自分が勝ちたい"なら逆サイドでピンチになっている時でも、何かできることをしようと思うでしょう。全員が"いま、勝利のためにできることは何か"を考えて行動するのがチームワークであり、全員が勝敗に対して責任を感じているのがいいチームだと言えるでしょう。例えばどんな選手でも、"自分が中心選手なんだ"と思い込み、それぞれが責任を感じるようにするのはよい方法かもしれません」

アイデアを出し合ったり、互いのプレーを評価したりする時、仲間と考えがぶつかって雰囲気が悪くなってしまったという経験はないだろうか。せっかくチームのために意見したのに、ケンカのような状況になってしまえば、もう意見なんて言いたくなくなってしまう。お互いが気持ちよく意見を言い合い、ぶつかることなく、コミュニケーションの回数を上手に増やしていく方法はないのものか、福富氏に聞いてみる。「"あいつはオレのより下手だから相手にしない"とか、"あいつは後輩だからオレの方がサッカーを知っている"といった考えは全く無意味。さきほど説明したように、人間はそれぞれ異なる考えを持っているものだし、その異なるアイデアは多ければ多いほど力を増す。それが分かっていればたとえ、自分とは異なる意見を聞かされてもケンカにはならないでしょう。お互いに"勝ちたい""成長したい"という共通の目的を持っているのであれば、きっとわかり合えるはず。それでもぶつかってしまう、というのであれば、話し方に注意し、相手の気持ちを考えながら意見を言う、決して口で攻撃はしないといった、工夫をするといいでしょう。ぶつかり合いを恐れるより、意見を言い合う方がチームとして健全です。意見を言わない風潮が蔓延すると、"あの時、オレはこうだと思ったのに"という不満がどんどんたまっていき、チームの雰囲気は悪くなる一方です。何も言わないでぶつかり合いを避けるのが"平和"ではなく、互いを尊敬し合いながら意見を出し合うのが"真の平和"であり、チームワーク向上のカギだと思います」

CHECK

「言いたいことをガマン」→「あとで人の責任にする」
強いチーム内では皆が、様々なアイデアを出し合って最良の選択をする。逆に言いたいことをガマンすると、チーム内に不満がたまってしまう。相手を尊敬し、勝利を目標とすれば心は通じ合う。先輩、後輩も関係なく、建設的な意見をお互いにぶつけ合おう。