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大阪・履正社に聞く知的なプレーの秘密。サッカーに求められる「知性」とは?前編

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2013年から2年連続で選手権8強入り。昨年のインターハイでも全国8強入りを果たすなど近年、目覚ましい活躍を見せる大阪の履正社高校。
その大きな武器は「知的なプレー」だ。そこで平野直樹監督に、頭を使うサッカーの大切さについて、聞いていく。(文/写真・Masayoshi Morita)

第1章 大切なのは、ピッチの状況を「知る力」
サッカーにはまずゴールを奪うという目的があり、そのためにはボールを奪わなければいけません。大切なのは、こうした目的に到達するために、今、何をすべきかを判断していくこと。これがサッカーにおける「知力」だと思います。すべきことはスコアや時間帯、相手プレーヤーの特徴によって変わってきます。そうした情報を収集できる選手が、サッカー知力の高い選手であり、言い換えれば、サッカーにとっての知力とは、今、ピッチで起きている状況を「知る力」と言えるのではないでしょうか。

第2章 気の利いた選手になれ
ボールの扱いが上手い選手は知的に見えますが、知的なプレーには他にも様々な種類があります。良いポジショニングでボールを奪える選手、身体能力で上回る選手を上手く抑えられる選手も知的な選手といえるでしょう。どんな状況でも賢くボールが奪えるのは相手のプレーを予測しているから。そうしたプレーができるのは周囲の状況を見て、予測するための情報を得ているからです。勉強ができる選手に良いプレーヤーが多くいるのは、情報を得るための注意力と観察力に優れているから。僕が観てきた中でそんな選手を挙げるなら、ガンバ大阪ユースで教えていた元日本代表のMF橋本英郎(現・C大阪)です。G大阪時代は自由にプレーするMF遠藤保仁の穴を埋める、知的なプレーをしていました。上手い選手や華のある選手は多くいるのですが、そうした気が利く選手は多くいません。気の利く選手、つまり知的な選手がいることは良いチームの条件とも言えます。

第3章 自分の長所と短所を知る
履正社では、知的なプレーができる選手になるため、「今の状況では何が得で、何が損か。何が効果的なのか、何が効率的なのか」を練習、試合で考えながらプレーさせています。ただ、それよりも先に知らなければいけないことがあります。それは、自分の長所と短所を知ること。特徴を活かしたプレーをするのはもちろんですが、自分が足の遅い選手と知っていれば、スピードを補うために正確なプレーを常に心がけたり、素早い判断をしたりと、工夫すべきことをたくさん思いつくでしょう。相手にとって嫌なポジショニングや予測で対抗するのも一つの手段かもしれません。自分の力量を分かった上で、「僕はこれができないから、こういう方法でいこう」と考え、その通りプレーできるのは知的な選手。まずは、自分の長所と短所を理解するのが大切だと、知っておきましょう。


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