プロになりたい。サッカーで大学を選びたい。そんな読者は必見!第86回全国高等学校サッカー選手権大会ベスト16。元日大藤沢の10番に当時の考えやその後の進路についてリアルな話を聞いてきたぞ!(文/竹中玲央奈)
-まず日大藤沢に進学した理由を教えて下さい。
中学校のときに、神奈川県のサッカー情報が載っているブログを見ていて、そこに載っていたプリンスリーグに興味を持って、ここでやりたいと思ったんです。選手権ももちろんですけど、それよりもプリンスで、という思いが強かったですね。選択肢としては桐蔭、桐光、日藤、マリノスとあったのですが、その中でセレクションを受けて、合格をくれた日藤に進みました。
-中体連の出身ですが、入ってみていかがでした?
高校に入ったときにスポーツ推薦が9人くらいいて、マリノスやベルマーレの選手がいた中、自分は中体連からで、かつ県トレにも選ばれていなかったので自分の評価はかなり低かったです。ただ、そこから負けず嫌い精神を発揮しました。ただ当初は全国に出る!というような強い思いはありませんでした(笑)。
-高校2年生のときには、試合にも出て選手権予選のベスト4。心境の変化はありましたか?
自分のこれまでのサッカー経験の中で、県のベスト4に入ったことは1度もなかったので、驚きでしたね(笑)。3年生のときに監督が変わったのですが、その方が「目指すのは日本一だ」とチームの立ち上げ段階から言っていて。高3で初めて全国を意識しましたね。
-高校3年生での成績は?
インターハイはベスト32でした。自分にとっては初めての全国大会でしたけど、本当に何もできませんでした。
ただ、冬の選手権はベスト16まで進みました。
監督が変わってから藤枝東や静岡学園など、それまで試合をしたことのなかった強豪校と練習試合を重ねたのですが、その中で勝つ経験を積むと、自信となって勝てる気もしてくるんですよ。実際に選手権予選のベスト4でそれまで一度も勝てなかった桐光学園に勝ちましたから。
-もちろん、Jリーガーも目指していたと思いますが選手権後の進路は?
高校3年生のときにそういう話はありました。ただ、自分としては大学に行きたかったんです。ただ、選手権前に受けていた大学に落ちてしまって、選手権も始まってしまいました。選手権の後だと、関東の大学で受けられる大学はかなり少なく。関西の大学からスポーツ推薦で入れてくれるという話はあったのですが...。
-夏前の時点で決まってないと枠が厳しい?
選手権が終わった後に進路を決めるのは遅いです。選手権で結果を出してもサッカーで進学は難しいと思います。サッカーで大学を考えているのであれば、インターハイで結果を出さないと...ですね。結局自分は付属元の日大のスポーツ推薦枠になんとかねじ込んでもらえました。付属高校にも関わらずスポーツ推薦ですから、変わった話でもあります。
-当時、大学サッカーについての知識はありましたか?
全くですね(笑)だからこそ困りました。話をくれた関西の大学もよく知らなかったのが正直ですし、進んだ日大のサッカー部についても全く知りませんでした。サッカー部も入るまで見たことがなかったんです。そんな感じでしたので、正直大学サッカーはうまくいきませんでしたね。
-と、言うと?
大学生になってお酒を飲める、遊べる、アルバイトもできる。そこの制御が効きませんでした。「俺はプロになるんだ」という強い意識を持たないと、そういう方向に簡単にいけます。強い意志を持っている選手も少なかったので、その中で"プロへ行く"という意思は貫き通せず、その思いは自然消滅していましたね。大学でサッカーをやりきったかと言われたらやりきったとは言えません。
-プロを目指すということについては、周囲の意識も大事なんですね。
そうですね。変な話、みんなが同じ方向を向いていればそこに乗っかれば良いので"楽"なんです。ただ、そういう環境ではないときに奮い起こして自分の目標は何なのか、という部分が大事です。
-高校生でプロを目指す選手は多くいますが、そういう選手たちへのメッセージをお願いします。
僕はプロではないので、たいしたことは言えませんが(笑)、本当にプロになるのであれば、プロを知らないといけないのかな、とは思います。練習に参加するなり、自分ができるところできないところを早い段階で知ることができればと一番良いのかなと。クラブが受け入れてくれるかは別として、プロの練習に参加できれば選手自身にとっても良いことというのは間違いないです。ただ、プロに向かって1人だけがそういった思いを持っていても達成するのは難しいです。先程も言いましたが、周囲も含めて同じ方向を見るということが、すごく大事になってくるのかなと思います