活躍が期待される注目のプレーメーカーたちを追って、九州へ。
彼らは、効果的なパスを出すため、どのようなポイントを意識しているのか。
そのコメントからパサーに求められるスキルやセンスについて、学んでいこう。

1
橘田健人選手
(神村学園/3年/MF/目標とする選手:遠藤保仁選手)

僕がイメージしているパスは1本で、味方がストレスなくゴール前に飛び出していけるようなボールを蹴ること。そのためには周囲がどういう状況かを知る必要があるので、常に相手のポジショニングや味方がどこで受けたいのかを見ています。

また、今年のチームはパスのタイミングさえ合えば、必ずゴールを決めてくれるFWがいるのが特徴です。僕が出すパスの強弱次第で、味方がスピードを落とさずにタイミングよくシュートを打つことが出来る。まだまだ上手くいかないことも多いですが、練習でボール回しを行う際にはいつも試合を想定しながら、強いパスと弱いパスを使い分けるようにしています。

2
田中匠選手
(大津/3年/MF/目標とする選手:中島翔哉選手)

監督から要求されるのは「味方の足に張り付くようなパス」。ボールがちょっとでもずれると、受けた選手がやりにくいので、きっちり足下に正確に入れることを意識しています。前線にクサビを入れる時に意識しているのはパスの強弱。ゆるいボールなら相手DFを引き寄せることができるし、速いボールなら受けた選手がターンしやすいと思うので、状況を見ながら使い分けています。

ただ、僕の場合は身長が大きくないので、パスを出すだけでなくボールを受ける動きも考えないといけません。正確なパスを出すためにはいかに相手のマークを外すかが大事なので、相手が見えない死角に入ってからボールを受けるようにしています。

3
佐藤颯汰選手
(日章学園/2年/MF/目標とする選手:イニエスタ選手)

パスを出す際に気をつけているのは、ファーストタッチで相手DFの遠くにボールを置くこと。相手から距離をとることによって、落ち着いてパス出しができるので、ボールを受ける瞬間はいつもこうしたことに気をつけています。ボールを受けてからいかに強いボールを蹴れるかが大事。

ボールが来てから周りを見るのと、ボールが来る前に敵と味方がどこにいるかなど周囲の状況を全て見ているのでは、蹴るボールのスピードが違います。また、中学3年生の時に、当時のコーチから『相手DFがボールの受け手を追いかけるために後ろを向いたタイミングで、相手DFのカカトを狙ってボールを出せばとられない』と教わって以来、このプレーを徹底しています。