まるでFCバルセロナのように、流れるような美しいパスサッカーを展開する大阪の強豪・興國高校。パスの精度を高めるために興國で繰り返し行われているパスの基礎練習メニューを3つ紹介しよう。より精度の高いパスを展開するためには、反復して行うことが必要だ。

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A:バックステップでのリフティング
日本では前に進む動作がある練習は多いものの、試合では前進してボールを受けるだけでなく、360度全ての方向に動きながらのプレーが求められる。どんな状況でもスムーズにトラップできるようになるための練習が、このバックステップでのリフティングだ。

行きはリフティングで前進し、帰りはバックステップでリフティングをして戻る。ポイントは左右両足、太もも、胸、ヘディングをランダムに使い分け、頭より上に蹴り上げること。

B:2歩でのスクエアパス
正方形のスペースを作り、各コーナーにマーカーを設置。各コーナーに2人ずつ配置し、左回りと右回りでそれぞれパスを回す練習。ただパスを回すのではなく、「1歩目でボールを受けて、2歩目でパスを出す」動きを意識して、反復練習すること。

来たボールをダイレクトで離してしまうと相手マークを引き付けることができないが、ボールを一度止めることによって相手がアプローチに来ざるをえない状況となり、次の選手が受ける際、数的優位を作れる。

C:4対4でのフットサル
興國がポゼッションの質を高めるために重要視しているのが、フットサル。狭いコートでボールを奪われると3対4の状況が簡単に生まれ、一気にピンチとなるため、ボールを失わないように高い判断力が求められるフットサルが効果的だという。

ポイントは、ここまでで紹介した「ポジショニング」と「2歩でのパス」。周囲の状況を認知しながら、ボールを出した後に動き続けることで、ポゼッションサッカーで必要となる個人能力を高めていく。

<興國高校の注目プレーヤー!>
この反復練習で高い技術を身につけた興國の選手たち。中でもこの2人に注目だ!

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FW大垣 勇樹(2年)
昨年、U-15日本代表に選ばれ、海外からも注目される期待のアタッカー。高い身体能力を活かした緩急のある突破が武器で、チームが数的優位を作れるのは「興國のメッシ」役と言える彼のドリブルがあるから。

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DF長井 一真(3年)
左右両足から繰り出す正確なキックが持ち味のCB。味方を動かすコーチングにもたけており、興國スタイルのポイントとなる、後方からのポゼッションを支える。主将を託された今季は、初の全国行きに向けて燃えている。