<質問>
日本のスポーツ界におけるメンタル面での問題はなんですか?

<回答>
最初に、日本のメンタルトレーニング普及がスポーツ先進諸国に比べて遅れていることです。私の情報では、ワールドカップにおいて海外のチームがスポーツ心理学・メンタルトレーニングの専門家が帯同したりスタッフに入っているのに、日本代表は過去にもメンタル面強化の専門家がいないことです。また日本のプロスポーツにおいても、野球・サッカー・バスケ等には、専属のメンタルトレーニングコーチがまだ一人もいない現状があります。たとえば、アメリカのメジャーリーグには、23チーム(1軍・2軍・3軍・4軍・ルーキーリーグ)に40名以上の博士号を持った専門家がサポートしている事実があります。アメリカでは、アメフト・バスケットボール・アイスホッケーなどのプロ、また大学においても専門家が雇われています。さらに、ヨーロッパの各クラブにもメンタル面強化の専門家が多くやとわれています。

次に、海外ではスポーツ心理学を大学院博士課程で学んだ専門家が資格を取り、活動していますが、日本はスポーツ心理学を大学院レベルで学んだことのない「自称専門家」が勝手に自分のタイトルをなのり、活動している点が、大きな問題となっています。世界では、スポーツ心理学という学問を背景にしているのがメンタルトレーニング(正式には、心理的スキルトレーニングと言います)です。

ほとんどの国では、スポーツ心理学の博士号を持った専門家が活動しているのに、日本では大学卒業レベル(中には高卒)・スポーツ心理学を大学院で専攻していない・元選手だったからなど、どこでまなび、師匠は誰なのかさえわからない自称専門家がいます。中には、スポーツ心理学の世界で聞いたことのない自分で作った理論を教えている人もいます。最近は、資格を勝手に作っている団体があったり、資格を持っていると言いながら、3日ぐらいの研修を受けただけなどの人もいるそうです。また本を出しているのに、引用文献を載せてない本など、インターネットでも引用文献を載せてないなど、ルールさえ知らない自称専門家も多くいるようです。

私は、アメリカに合計10年、100回以上行き、世界30か国をまわり、研修を受けてきました。東海大学には、専門家育成の教育システムを作り、大学と大学院の6年で、最低6000時間以上の研修(授業・研修会・学会・現場での実践)を積み、7年以上かけて、メンタルトレーニングの専門家育成をしています。また世界で収集した情報が、500ページの本3冊(合計1500ページ)の専門家育成教科書も作成して、これをもとに学生たちが研修をしています。またいろいろなチームに研修(最低週2回)をして、現場から学ぶこともしています。

最後に、日本のメンタルトレーニング環境は、混乱しているし、世界にかなりの遅れをとっていますことを理解してください。

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