2023年70校目は、高校サッカー選手権初出場の名古屋高校サッカー部!
キャプテンの田中響貴選手に『キャプテンになった経緯』や『選手宣誓の大役』などを聞きました!

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田中 響貴
■ポジション:MF
■学年:3年
■身長/体重:180cm/70kg
■前所属チーム:フェルボール愛知(愛知)
■自分の見てほしいプレー:「自分の主な仕事は中盤での守備なので、その守備力だったり、あとはチャンスになった時に攻め上がってのミドルシュートを自分の持ち味としています。好きな選手はマンチェスター・シティのロドリです。ほんとにシティはロドリが出られなかった試合が全部負けている、僕もそれぐらい必要不可欠な選手になりたいなと思っています。自分はキャプテンなのでチームが苦しい時だったり、しんどい時だったりに、もっとプレーで引っ張っていけるような選手になりたいです」


Q:まずはキャプテンになった経緯をお聞きします。
「自分は1~2年生の時にはまったくキャプテンとかそういう感じじゃなくて、どちらかと言ったら足立がキャプテンだろうなって感じだったんです。でも新チームになった時に僕と足立が呼ばれて、その時にも自分は副キャプテンかなと思っていたんですけど、自分がキャプテンと言われて。もう、ほんとにびっくりしました(笑)。キャプテンをやること自体が初めてだったので、最初の方は全然、何をしていいのかとかもわからなかったですね。だから新人戦もインターハイも良い結果は残せなくて、キャプテンってこんなに難しいことなのかっていうのを実感することができました。そこからですね、自分の中でも意識も変わって、キャプテンとしてチームを引っ張っていくことの難しさも分かっていきました。そこから改善することができたので、選手権を優勝することができたと思っています」

Q:まったくわからなかったキャプテンの仕事に対するイメージはどんなものがありましたか。
「いや、もうシンプルに試合中に声出したり、練習とかでも人一倍声を出す。それぐらいのイメージしかなかったので、やっぱりそれだけでは全然チームもまとまらなかった。思ったより難しかったです」

Q:意識を変えて、ある意味ではキャプテンらしく行動しようと考えた時に、まずやったことは?
「まずは自分の行動を変えることですね。今までも、キャプテンになってからも、声かけだったりはしていたんですけど、やっぱりどうしても厳しく言えなかったり、自分が嫌われてでもそう言えるキャラになりきれなかった部分があって。そこで厳しく言えなかったことで、言われた側もそんなに厳しく言われてないから、みたいな感じが出てしまいました。そこを自分の中でも変えて、もっと厳しく言っていかなきゃいけないって感じました。なあなあになっていたんです」
Q:先輩キャプテンたちを見てきた中でのイメージは膨らみませんでしたか。
「先輩たちはけっこう厳しく言ってたとは思うんです。でも、その先輩たちがキャプテンとしてまとめた中でも負けていたので、今までのキャプテンを真似するだけじゃ、優勝はできないんだって思いました。もっと厳しく、チームメイトたちに接することが重要だと思いました」

Q:それでも最初に厳しく言う時は、怖かったんじゃないですか。
「はい。もうほんとにそういうことが苦手というか、そんなことやった経験がなかったので、初めは難しかったです。でも、チームが勝つためにはやるしかないと思ったんで、頑張りました(笑)」

Q:チームメイトの反応は?
「反応というほどのものかはわかりませんけど、インターハイに負けて夏休みに入っていった中で、そこで意識が変わった部分があって。夏休みにあった練習試合だったりはほんとにみんなが締まった感じでやれていて、そこからはチームとしても成長できた感じはあります」

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Q:チームの今年1年の変化は、どういう風に感じていたのでしょうか。
「新人戦とインターハイは正直、自分たちのサッカーが定まらない状況で、ほんとに自分たちがやりたいサッカーがなんなのか、勝てるサッカーが何なのかがはっきりしてなかったです。そこで夏休みに、自分たちがどんなサッカーをしたいのかっていうミーティングをチームだけでやって、そこで自分たちがやりたいサッカーをみんなで共有することができました。それからは試合中にもやりたいことが共有されてるので、やりやすくなった部分はありますね」

Q:自分たちのやりたいサッカーとは、どんな答えになったのですか。
「自分たちの前線には個の強い選手がいるので、後ろは言い方が悪いかもしれないですけどセーフティーにやって、相手コートでサッカーをするっていうことですね。セットプレーにも自信があるので、セットプレーからも得点を取れたらと考えています。あとは練習からも意識しているのが守備から入るサッカーで、4ー3で勝つよりも、1ー0で勝つサッカーっていう意識ですね」

Q:それはそもそもの名古屋高校のスタイルには通じるところがあったのでしょうか。
「名古屋高校は伝統というよりも、その年によってスタイルがけっこう変わったりするので、そういうものがあまりなくて。でも今年はこのサッカーで優勝することができたので、このサッカーが続いていくのではっていう感じはします」

Q:つまり自分たちはこういう風に勝ちたいというものができて、監督がそこを尊重してくれたわけですね。
「自分たちも負けが悔しかったんで、勝てるサッカーってところで考えました。多少なりとも綺麗なサッカーをしたいっていう気持ちはあるんですけど、勝ちたいっていう気持ちの方が強かった。コーチたちもその勝てるサッカーを意識して、作り上げてきてくれました」

Q:夏以降の自分たちの進化や成長はどう感じているのですか。
「サッカーの軸自体はその夏休みでできたわけですけど、ゴール前の質だったり、セットプレーの質はそこから磨きをかけていったものでした。実際、選手権でもセットプレーからが約半分ぐらいの得点になっているので、ゴール前のところ、セットプレーのところは夏休みでより磨きをかけられたと思います」

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Q:キャプテンに慣れてきて、キャプテンとしての行動ができるようになってきた自分自身の成長はどう感じていますか。
「自分自身としての成長は、やっぱりチームの状況というか雰囲気が見えるようになったことですね。客観的に見れるようになりました。選手権の期間中にも、練習でちょっと甘い、緩い空気が生まれた時にも、それを感じることができるようになってきて。そこで1回みんなを集めて、気持ち入れないと勝てないよ、みたいに言うこともできたので。それは1~2年生の頃の自分じゃ絶対できなかったことだと思うんです。そこは成長したなと思います」

Q:選手権まではあとわずかです。最後のもうひと搾りというか、どんなところの追い込みにフォーカスしていきたいですか。
「もうほんとに残り少ししかないですし、自分たち3年生はもうほんとに最後なので。自分たちが今まで積み重ねてきたことを、さらに残り少しの期間で限界まで磨きをかけて、選手権の舞台で全力を出せればいいなと思います」

Q:少なくとも愛知県の高校サッカー選手たちの中では一番長くサッカーをやれる、そしてこのチームで一番長くやれる選手として、この期間はどういう風に感じていますか。
「実際、インスタグラムとかで他の高校の引退とか、『今までありがとう』みたいな動画などを見て、自分たちがまだサッカーできていることに感謝だったり、嬉しい気持ちを感じたりします。だからこそ悔いが残らないように全力で頑張りたいと思います」

Q:全国での目標を個人的にも、チームとしても聞かせてください。
「チームの目標はベスト16です。愛知県代表は長い間、1回戦敗退が続いているので、僕らがここでその流れを切って、そしてベスト16まで行けたらと思います。自分の目標としてはチームが勝つことを優先するプレーをしつつ、自分が今まで積み重ねてきたプレーを、悔い残らないように発揮することができたらいいなと思います」

Q:名古屋高校は初出場ですが、その重みや特別感のようなものはあるのでしょうか。
「自分たちの代が初出場ということで、これを見てくれる後輩たちに名古屋高校のトップチームに入って、この舞台でサッカーしたいって思えるようなプレーをと思います。全国の舞台でそれができたら、未来の名古屋高校にもつながっていくと思うので、そういうプレーがしたいです」

Q:そういえば、選手宣誓の大役でしたね(笑)。
「聞いた時は頭が真っ白になりました(笑)。やばいです...。もちろん宣誓なんてしたことないですし、この先もすることないと思います」

Q:言葉は決まりましたか。
「自分がまずは一通り考えて、監督に見せて。監督も考えてくれているものがあるので、それを合わせてみたいな感じで決めようと思います。去年とか一昨年はコロナのこととか、ワールドカップとかがあって、いろいろ入れる話題があったんですけど、今年はそこまでのニュースもなくて。けっこう考えたんですけど自分としては、今年からはやっぱり声を出して応援することができるようになったので。仲間の声のありがたさだったりを伝えられたらと思っています」

Q:声が裏返らないように気を付けて(笑)。
「大声出すのもあまり得意ではないので(笑)、がんばります!」


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