全国屈指の強豪・流通経済大柏高校サッカー部のキャプテンは、どんなやりがいを感じて、どんな苦労をしてきたのか。取材に協力してくれたのは、チームをまとめ鹿島アントラーズへ加入が内定している関川郁万選手！


関川 郁万
■ポジション：DF(センターバック)
■学年：3年
■身長/体重：180cm/74kg
■出身チーム：FC多摩ジュニアユース（東京）
■自分の見てほしいプレー：「ヘディングですね。(膝の手術後)復帰してから全然タイミングとか合わなかったんですけれども最近、だいぶ良くなってきたので、自分の最高打点とか見て欲しい。(本田裕一郎)監督が言っているのは『CBは声で仕事をする』ということ。チームが上手くいかない時とか、自分が上手くいかない時とかでも良い声とか、改善する声とかもっと出していきたいです」

Q：どのような経緯でキャプテンに選ばれたのですか？
「新チームのミーティングで決まりました。『誰が良い？』となった時に、誰もやろうとしなかった。自分、一番前の端っこに座っていたんですけれども、みんなこっちを見て来るんですよ。そして、コーチからも『やれよ』という雰囲気になって、プレッシャーに負けて手を挙げました」

Q：前主将が凄くキャプテンシーのあったMF宮本優太選手(現流経大)。その後任はやりづらかったのでは？
「優太君の後ということもありましたし、(インターハイ優勝、選手権準優勝という)上手く行った後の代という難しさがありました。それは、今も凄く感じています。去年、自分は3年生にぶら下がっていただけと思いますし、グラウンド内外で難しい。サッカー以外ではスタッフに挨拶や片付け、部室の整理などについて言われています」

Q：この夏から左部開斗がキャプテンの役割をすることが増えているが、これまでキャプテンをしていて楽しかったことは？
「キャプテンマークをつけていた優太君は格好良かったじゃないですか。去年、インハイで優勝して学校で報告会をやったんですけれども、フザケて優太君のキャプテンマークをつけたりもしていました。でも、今年は逃げたくなるようなことばっかりですよ。インターハイで負けた後は"地獄"でしたね。その後一週間くらい、負けたという実感がわきませんでした。一年前も、二年前もインハイは最後(全国決勝)まで行ったので。今年の夏は直前合宿も、インハイもなくて予定が何もなくてあっと言う間でした。本当に辛いことばかりで、去年のように良いことばかりではないです」

Q：対戦相手を含めて色々なキャプテンを見てきていると思うけれど、理想のキャプテン像を教えてください。
「理想のというか、この人凄いなと思ったのは一個上の加藤拓己選手(山梨学院→早稲田大)ですね、人間性も良い。直接対戦したのは後期のプリンスリーグだけで、自分たちが5点獲って勝ったんですけれども、彼はいつも前向きな声を掛けていましたし、人に悪口とかで当たらない。(安藤)瑞季君(長崎総科大附→Ｃ大阪)もそうですけれども、『俺にボールを集めろ』みたいに言っていて、それでFKでちゃんと1点を決めた。プレーでも、声でも引っ張れる人で凄いなと思いましたね」

Q：選手権へ向けて。
「全国に出るチャンスは選手権しかない。選手権に出れなかったら最弱の代になってしまう。去年のように日本一のプレッシャーはないですけれども、逆に選手権に出なければいけないという重圧があります。1、2年の時はずっといい思いをしたので、いい思い出ばかりだったけれど、今年はいい思い出が全くない。去年は夏に日本一を獲って嬉しかったですけれども、自分たちの代で日本一を獲りたいというのが一番の思いです」

Q：アントラーズのサポーターも見ていると思いますが。
「選手権に出て次の進路に行くのと、出ないで行くのとでは全然違ってくると思います。現に一回目鹿島へ練習参加した時に選手権のイメージで自分のことを知ってくれていた人もいました。選手権のイメージは強いと思う。流経史上初の選手権連続出場という小目標もある。今年は最後、埼スタの決勝で勝ちたいです」

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