2023年13校目は今年からプリンスリーグに参戦する刈谷高校サッカー部!
取材に協力してくれたのはキャプテンの山下貴也選手。キャプテンになった経緯やプリンスリーグへの意気込みなどを語ってもらいました!

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山下 貴也
■ポジション:GK
■学年:3年
■身長/体重:179cm/68kg
■前所属チーム:依佐美中(愛知)
■見てほしいプレー:「ビルドアップとセービングです。セービングにかんしてはミドルシュートのシュートストップだったり、 1対1で相手に運ばれた時のシュートストップとかを見てほしいです。ビルドアップについては、自分がアシストするんだ、点につながるパスを出すんだっていう気持ちで日々やっています。間につける縦パスとか、チャンスにつながるようなボールを供給するところを見てほしいと思います。好きなGKは西川周作選手やエデルソン選手(マンチェスター・シティ)が好きです。プロのハイプレスの中でもズレないパスとか、正確無比のパントキックとかを見習っています。でもやっぱりキーパーはゴールを守るのが一番大事なところだと思うので、彼らのシュートストップ能力に少しでも近づけたらなと思っています」

Q:まずは自分がキャプテンに選ばれた経緯はなんですか?
「まだひとつ上の選手たちがいる時に、3年生の部長と副部長がいましたが、その時に僕も一緒に副部長っていう形で就任していました。 副部長をしながら、僕たちの代の学年キャプテンをしていました。そして3年生が引退された後に、僕が正式に主将という形になった感じです」

Q:その時は投票や指名などはあったのでしょうか?
「最初に決めた時には投票というか、みんなで挙手をするようなことがあったのですが、そこで『貴也だ』という風に選ばれました」

Q:自分としてもキャプテンがやりたかったり、自分がなるだろうな、ということは考えていましたか?
「自分が最初にAチームに上がったっていうこともあったりしたので、少しは『キャプテンをやるのかもしれないな』と思っていたんです。でも同じキャプテンでも『刈谷高校のサッカー部』という重みがあるので、自分でいいのかな、という不安もありました。でも任された以上はしっかりやろうと思ってやっています」

Q:「重み」というのは、刈谷高校の伝統という意味ですか?
「そうです。やっぱり何百人、何千人のOBの方々がいる、という重みですね。たとえば選手権や総体など全国のかかった試合には、観客として応援に来てくれる人数が多いことがあります。毎年1月1日に初蹴りを開催しているんですけど、その時にもやっぱりOBの方々がみえて、一緒にサッカーを楽しむんです。その時に来てくださるOBの数は本当にすごくて、支えられて僕たちがサッカーができているんだ、というのが目に見えてわかるんです。そういう時にやっぱりすごい伝統校だなっていう風に思います」

Q:キャプテン経験はあったのですか?
「いや、小学校では全くなくて、中学校は副部長でした。高校になって、初めてキャプテンというものになりました。いろいろ考えたり、悩んだりすることもあるんですけど、やっぱり試合に勝った時の一体感だったりは、一番大きく感じられるなと思いました。みんなをまとめて勝つという、その達成感は人一倍大きいのかなとは思います」

Q:自分なりに「キャプテンってこういうものだ」というイメージはもっていたのでしょうか?
「いや、探りながらです。(キャプテンになるのは)初めてなので。でも自分から動くというのは常に意識しています。仲間に言ってやってもらうのも大事だとは思うんですけど、人が変わるより、 自分が変わった方が早いと思いますから。自分がやっていれば、誰かは絶対ついてきてくれるって信じて、普段からやっています」

Q:刈谷高校は部活動と勉強を両立するだけで大変ですが、そこにキャプテンという大変なものが加わってしまいましたね。
「まあ大変っていうのはあるんですけど、達成感が勝ちますね。それにひとつ上の先輩たちが、サッカーもすごくうまくて、勉強もすごいトップレベルな選手が多かったんです。あの人たちと長い間一緒にサッカーをしていると、やっぱり自分もやらなきゃとなります。勉強との両立も、大変だけどやってやろうっていう気になります」

Q:おそらくは時間の使い方が大事なのだと思いますが、何かコツなどがあるのですか?
「まずは部活が終わったら塾にそのまま行って、塾で2時間ほど自習や、塾の授業を受けたりしています。でも2時間だとおそらく他の刈谷高校の生徒はもっとやっているので。僕は塾から家までが15分ぐらいと近いので、家に帰ってご飯とか風呂とかを済ませたら、また1時間ぐらい勉強するようにしています。でもサッカーをしていて、寝不足になると次の日に響いてしまうので、 6~7時間は寝るようにしています。だから勉強時間は1日で取れて4時間、取れないかなくらいです。取れて3時間か3時間半ぐらいになっちゃいますね。でもサッカーがあることで、メリハリがつけられている感じはあります。時間がたっぷりありすぎても、だらけちゃうかもしれないです」

Q:毎日スケジュールが詰まっていますね...。
「そうですね(笑)。でもみんなもそうだと思います。中西創角は豊川から毎日通って来ているので、朝は5時台に起きてるようです。他にも名古屋から通っている選手もいて、それに比べたら僕は通学も10分とかからないので、勉強との両立にかんしてはみんなの方が大変だと思います」

Q:話をサッカーに戻します。刈谷高校のサッカーは脈々と継がれてきたものがあると思います。刈谷高校のサッカーについてはどう捉えていますか?
「やっぱり私立みたいに強力な選手を集めることもできないし、すごく上手いプレーヤーを取ってくるっていうことも公立高校なのでできないと思うんです。勉強もある程度やってきて、サッカーもある程度やってきた人が試合に出ると思うんですけど、その中で私立に勝っていくには、個々の技術の高さだけでなく、集団として、11人として負けられないという部分があると思います。それを普段の練習から、連係やコーチングを意識して、日々の練習で高めてきていると思います」

Q:刈谷と言えばパスサッカーのイメージもあると思いますが?
「そうですね、ボールを保持しながら、相手を見ながらサッカーをするというスタイルです」

Q:長らく監督を務められた佐野先生から平松先生へと代わられたわけですが、その変化はどう感じていますか?
「僕は佐野先生にも習ったことがあるんですが、佐野先生は選手の自主性を大事にする感じというか、佐野先生が選手を集めて、アイデアを出してくださったりという感じでした。平松先生になってからは、練習メニューも主に平松先生が考えられたものをやるようになって、一つひとつのプレーを練習中に止めて、『もっとこうした方がいい』みたいな、場面、場面の練習が増えたかなと思います。ただそれもひとつのアイデアとして、大切だと思うんですけど、やっぱり試合になると練習通りにいかないことが多いと思うので、 試合の中で発揮できるように臨機応変にやっています」

Q:この時期はまず次はインターハイ、冬には選手権と考えていく中で、今年はプリンスリーグというレベルの高い舞台が増えます。どういう意識で挑んでいますか?
「プリンスリーグの初戦がJFAアカデミー福島で、次が清水エスパルスという日程があるんですね。それを見ると、やっぱり自分たちは足りないなっていう思いが、僕にも、おそらくみんなにもあると思うんです。今はそこに向けて練習しているんですけど、プレーの強度や相手の上手さとかは、今まで県一部リーグでやってきたものとは比にならないほどの選手がいると思うし、世代別の日本代表に入っている選手もいます。もう、やるしかないっていうことで、サッカーだけじゃなく筋トレやストレッチとかも意識してやるようにしています」

Q:単純に楽しみだとか、ワクワクする気持ちみたいなものもありますか?
「あります。とてもワクワクしてますね(笑)。どんな試合ができるのかな、とか思います」

Q:個の部分を伸ばすというところでは、どういうところでワンランク、ツーランク上がっていかなきゃいけないと思いますか?
「練習から全力でやらないと、試合にその成果は出ないと思うんです。日常、毎日の練習一つひとつを強度高く、こだわってやることが大事だと思います」

Q:その中でさらにインターハイなどの大きな大会を見据えるために、キャプテンとしてチームをどうまとめて、導いていきたいですか?
「自分自身は、総体や選手権を去年から経験していて、トーナメントの難しさは今の誰よりもわかっています。そういうところは還元していきたいなと思っているし、やっぱりキャプテンなので、自分が常に冷静になって試合を分析しないと、厳しい状態になった時に勝てないと思います。自分だけにならずにチームや11人のことも考えながらやるっていうのは試合前も、試合中も考えています」

Q:今年のチームならではのカラーや、スタイルは何がありますか?
「今年は去年みたいに、個々の部分で強烈なドリブラーがいるとか、そういうわけではないんです。でも一人ひとりに得意なプレーがあって、ミドルシュートが得意な選手や、決定力の高い選手とかがいて、その中でチームとしてパスをつなぐ。チームと個の部分、ふたつあると思うんですけど、そこを大事にしていくチームだと思います」

Q:どういう勝ち方を目指したいですか?
「勝ち方...。『相手よりも1点多く取る』、それはどんな形でも良くて、泥臭くても、綺麗でも、それがサッカーだと思います。最後まで諦めず、みんなで作り上げる、11人で作り上げる、刈高サッカー部として、試合に出ているメンバーだけじゃなくて、応援含めて全員で勝つこと、それが今年のチームの色というか、そういうものだと思います」

Q:自分の個人的な目標はありますか?どんなシーズンにしていきたいですか?
「個人的な部分では、やっぱりプリンスリーグにはハイレベルなストライカーがいたり、クロッサーがいたりするので、そこで失点をしないようにしたいです。自分が止めれば負けることはないですし、自分が止めることでみんなが勢いづくと思います。ゴールを安心して任せられるような選手になりたいし、自分がチームの勝利に貢献できるような選手になりたいです」

Q:チームとしては、今年をどういうシーズンにしていきたいですか?
「チームとしての目標はプリンスリーグで、一つひとつの試合を大切に勝っていって、ひとつでも上の順位を目指すところです。そして総体と選手権はここ数年全国に出られていないので、今年こそは全国に出て、選手権では国立のピッチに立つことを目指します」





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