2023年60校目は、岐阜県の強豪・美濃加茂高校サッカー部!
取材に協力してくれたのはキャプテンの間宮愛翔選手。キャプテンを任されるようになった経緯や冬の選手権への意気込みなどを語ってもらいました!

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間宮 愛翔
■ポジション:DF
■学年:3年
■身長/体重:182cm/64kg
■前所属チーム:FCV可児(岐阜)
■見てほしいプレー:
「ヘディングの強さと熱いプレーです。好きな選手はセルヒオ・ラモス一択です!闘将になりたいんです。課題はロングボールの精度で、自分のパスからゴール決めてもらいたいなと思います」

Q:まずはキャプテンに選ばれた経緯を教えてください。
「まず僕らの代は、チームをまとめられるタイプが少なかったというのもありました。それから去年の選手権岐阜予選準決勝の時に、帝京大可児戦に0-3で負けて泣いている先輩たちをベンチから見ていました。その時にひとつ上のキャプテンが僕に『頼んだぞ、来年は全国に行ってくれよ』と言ってくれて、『もう、これは全国でやるしかないな』と思いました。次のキャプテンは、僕かもうひとりのどっちかという感じだったのですが、先輩にかけられた言葉もあり、『僕にやらせてください。絶対にチームをまとめるのでやらせてほしいです』と監督たちに頼んで、今キャプテンやらせてもらっています」

Q:キャプテンの経験はあったのですか?
「いや、小学校の時に副キャプテンをやったぐらいですかね。それ以外はないです」

Q:キャプテンをやりたい願望はあったのですか?
「願望というか...セルヒオ・ラモスが好きなので、やっぱりああいう熱い人間になりたいな、プレーで見せたいなと前から思っていたので、ちょうど良かったです(笑)」

Q:キャプテンの仕事は実際にやってみてどうですか?
「しんどいですね(苦笑)。全部責任が僕に回ってくるし、うちのチームはおちゃらける選手ばっかりです。アップの時にはすぐふざけだしてしまうから、まとめるのが大変です。その中でも、自分はプレーの方でも質が問われるので、プレーの質も上げていかなければいけないし、それと同時に声も出し続けなければいけません。ちょっといっぱいいっぱいのところがありますね(笑)。でもここまでやってきたからには、このチームのキャプテンをやりきりたいと思っています。僕が引っ張っていかなければいけないという自覚はあるので、声を出してやっていくしかないなと思っています」

Q:今年は先輩たちを超えて、創部以来最高記録となるインターハイ岐阜県大会準優勝という結果を残しました。結果を残すことができた要因や自分たちの歩みをどう振り返りますか?
「このチームになって最初の遠征が関西遠征で、そこで僕たちは全勝しました。『もしかしてこのチーム強いんじゃないか?』と、そこで自信をつけたんです。ですが、新人戦で長良高校に3-0の完敗をしてしまいました。今度は『やばい、めちゃくちゃ弱い』となりました。それでも、連携しているFCV可児から、すごい1年生がたくさん入ってくると聞いて、『そうか。良い1年生が入ってくるんだな』と、ポジティブに思いながらG1(岐阜県リーグ1部)開幕を迎えました。実際にトップチームの約半分が1年生です。ところが、インターハイ予選までの3戦で3連敗。もうほんとにチームはどん底になりました。でもそこで『ここから這い上がっていくしかない!』と思い、みんなで話し合ったんです。そこでみんなも『緩い雰囲気をなくして、一戦一戦に気持ち込めていこうよ』となりました。インターハイ岐阜県大会で準優勝できたのは、一戦一戦想いを乗せて戦えた結果だと思います」

Q:その話し合いは間宮選手が声をかけたのですか?
「はい。G1の初戦に負けた時点で本当は話したかったのですが、その時はまだあまり言えませんでした。ですが、勝ちたい気持ちがだんだん強くなり、副キャプテンに声をかけて、話し合いに持っていきました」

Q:そこでチームメイトの気持ちや動きも変わったのですね。
「例えば1年生は、自分で言うのもなんですが、自分のことを慕ってくれている子が多いんです。1年生ながら、自分のことをサポートしたり、練習の時から声を出してくれて、それが本当に嬉しかったです。そしたら自然と3年生も『一緒に声出そうぜ』と言ってくれるようになりました」

Q:ただ1年生がトップチームにたくさんいる状況は、3年生のことを考えればいろいろな気持ちが渦巻いてるような想像もします。そういった部分を含めて、チームの雰囲気やチームをまとめることについてはどう考えていますか?
「僕たちは上下関係があまりなくて、学校生活でも3年生の教室に1年生が来て話したりするぐらい、本当に仲が良いんです。仲が良いことは、サッカーにおいても強みになります。インターハイ予選準決勝の土岐商戦では、ゴールを決めた選手が真っ先に応援している選手へ走っていくところを見て、『良いチームだな』と思いました。仲が良いチームは強いなと改めて思いました」

Q:ひとつ結果を出した後の自分たちに何か変化はありましたか?
「松田コーチからは『インターハイ予選の準優勝は忘れていい』と言われています。目標は最終的には全国なので、インターハイ予選で優勝できなかった時点で、選手権に向けて切り替えようと。その後の東海総体は、インターハイ後に自分たちの実力がどれだけ伸びたかを測る大会でした。三重県1位の海星高校と戦ったのですが、勝つことができました。ただ、その次に静岡学園と戦い、やはり実力の差はあるなと感じました。それもあって、ここから冬に向けてもっとやっていくしかないよ夏に入りましたね」

Q:静岡学園はプレミアリーグWESTの上位チームでもありますね。試合をやってみた感触はいかがでしたか?
「静岡学園もその時はセカンドチームだったらしいのですが、それでも強かったです。やっているサッカーが似ているという言い方が合っているかはわからないですが、岐阜県で帝京大可児と美濃加茂以外に、後ろからボールをつないでビルドアップする学校はあまりないです。同じスタイルですがその質の高さが全然違うなと感じました」

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Q:改めて、自分たちのプレースタイルや強みはどういったところにありますか?
「美濃加茂スタイルと言ったらなんですけど、今は3バックをやっています。岐阜県ではあまり3バックは見ないですし、3バックからつないでいくことは、本当に美濃加茂独自の戦い方だと思っています。この自分たちのサッカーを貫いて戦っていけたらいいなと思っています。また、変幻自在のプレーができるところが強みです。相手のフォーメーションに合わせて、プレッシャーのかけ方や攻め方をいろいろ変えられるように準備しています。あとはFCV可児出身の選手が多いこともあって、前線の選手は足元の技術も高いですし、バイタルエリアへの侵入やプレッシャーが来た時のかわし方とか、細かいところのプレーまで意識してやれています。そういったところは見てほしいですね」

Q:中学時代にFCV可児でやっていたこと、自分たちの基礎になっている部分があるのでしょうか?
「僕の代で言えば、中1の時にドリブルしかしてはいけない"パス禁"という制度がありました(笑)。僕は後ろの選手でしたし、足元の技術も高くなかったので本当に苦手でした。しかも僕の場合、足元の技術も高くないので早く前に蹴りたくなるところを、つながないと怒られるんですよね。だからそこの部分は鍛えられますよね(笑)」

Q:そうやってきたからこそ、今の美濃加茂スタイルが成り立つし、意思疎通もしやすいということでしょうか?
「FCV可児の中3の時の監督は、3年間ではなく6年間の育成だと言っていました。これは一つ上の代から始めたことなのですが、『お前たちにはその2期生として来てほしい』『岐阜県に新しい風を吹かせるためにはお前らの力が必要だから来てほしい』と言われてFCV可児に入りました。ここまで強くなれたのも、中学から継続してやってきたことが大きかったと思います」

Q:自身のパフォーマンスも上げていきたいところだと思いますが、チームへの影響力含め、見せなければいけないところはどういうところだと思いますか?
「自分のポジション(DF)的には、身体を張らなければいけないので、チームが攻められている時には、チームのためにケガを恐れず、必死で身体を張るプレーを見せたいと思っています。もちろん足元で魅せるのもいいですが、泥臭くスライディングしたり、顔でもいいからどこかに当たってくれればいい、という気持ちでシュートブロックなどができれば、チームとしては盛り上がっていくかなと思います。やっぱりみんな上手いので、パンパンパンってパスをつないでいく中で、自分がそこについていけているか不安もあります。でも、ヘディングや最後の局面など、自信があるプレーだけは譲りたくないという思いもあります。どれだけみんながカウンターで攻めて、そこでカウンターを受けることになっても、自分が身体を張って止めたいなって思ったりする」

Q:選手権に向けてどう戦って行いきたいですか?
「初戦から油断できないのは事実ですし、その期間には入試も被ったりしています。だけど、1試合ずつ最高のパフォーマンス出して、 まずは去年の先輩たちのベスト4を絶対に超えたいなと思っています。そして決勝に行けて帝京大可児と戦うことになれば、そこは本当にメンタル面の勝負だと思っています。技術の前に、やっぱり気持ちで負けてはいけません。『大丈夫だよ』とみんなに声をかけ続けたいと思います」

Q:学校としては勉強にもかなり力が入っていますよね。
「そうですね。実は、3年生もかなり引退しているんです。僕らの代は人数が多くて20数人いたのですが、今年は良い1年生も入ってきて、Bチームになった選手は全員引退してしまいました。いま残っている3年生はスタメンやベンチメンバーの選手だけです。でも、試合の応援には来てくれるので、それは本当に感謝しています。でも、僕は部活をやりに美濃加茂高校に来ています。全国選手権に出たいと思ってこの学校に来ています。やっぱりここでやりきらなくてはダメだと思っています。勉強との両立は大変ですけど、その思いがあるので頑張れます」

Q:高校3年間、あるいは中学からの6年間の集大成です。この残り数ヵ月をどう過ごしたいですか?
「これが最後ですし、悔いは残したくありません。居残り練習だったり、やれることは全部やって、最後はチームのみんなで最高の結果を残したいです」



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