2022年42校目の取材は、2大会連続22回目となるインターハイ出場を決めた中京大中京高校サッカー部!
キャプテンの伊藤凛人選手に、キャプテンになった経緯から自分なりのキャプテン像、インターハイの意気込みなどを話してもらいました!

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伊藤 凛人
■ポジション:DF
■学年:3年
■身長/体重:178cm/70㎏
■前所属チーム:名古屋グランパスU-15(愛知)
■自分の見てほしいプレー:「サイドバックとして、サイドを駆け上がること、相手を抜いてクロスを上げるプレー、アシストが得意なプレーです。憧れはトレント・アレクサンダーアーノルド選手です。クロスの質が世界一だと思います。動画などいろいろ見て、参考にしています。課題はまだ守備に甘いところがあるので、そこは直したいです。キャプテンとしての試合中の声がけも、もっとやらないとと思っています」

Q:まずはキャプテンに選ばれた経緯を教えてください。
「4月のリーグか新人戦が始まるまでは決まってなかったんです。でもその試合前に監督から急にキャプテン、副キャプテンの指名があって。自分たちで立候補したわけではなく、本当に突然指名されて、僕がキャプテンだったという感じでした」

Q:例年とは決め方が違ったわけですか。
「去年は確か立候補だったと聞いていた気がするので、びっくりしました」

Q:自分がやるかもな、くらいには思っていたんでしょうか。
「いや、思ってなかったです(笑)。自分は去年、Aチームには入っていたんですが試合に絡むことはなくて、他のメンバーには試合に絡んでいる選手がいたので、その経験を考えればそっちかなと思っていたんです。でも自分が選ばれたので、びっくりしながらも、頑張ろうと思いました」

Q:キャプテンの経験はあったのですか。
「いや、1年生の頃に学年リーダーは一応やっていたんですけど、中学や小学校でもクラブではキャプテンの経験はありませんでした」

Q:ではわからないことも多い状態でスタートしたと。
「そうですね(苦笑)。先輩で去年のキャプテンの横井文太くんがいるんですが、その人も僕と同じグランパスU-15の出身で。けっこう仲も良くて、話はけっこう聞いてはいたんです。それは少し助けになりました」

Q:それでも自分がやるとなると、漠然としたイメージで始めた感じですか。それとも教えてもらったことをやるような感じでしたか。
「こういう感じでやっているんだな、というのはわかっていましたし、副キャプテンもいたので。監督からも『最初だから気楽に、楽しんで』とは言われていて、そこはやりやすかったですね」

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Q:自分のキャプテン像はどんなものがありますか。
「去年やその前のキャプテンを見ていても、みんなしっかりしていて...。自分はそんなにというか、忘れ物をすることもあったり、遅刻したり、抜けているところが多いんです。そこは自分でもけっこう心配なところだったんですけど、そんなに堅いキャプテンということではなく、みんなが気軽に意見を言ってこられるような、中立的な立場というか全体を見て動けるキャプテンになりたいなとは思っていますね」

Q:キャプテンの仕事として自分がやっていることというと?
「いつも練習後には、監督の話のあとに選手が締めて終わるんですね。それはキャプテンの仕事なので、今日の練習について話したり、これからどうしていこうということを話したり、それで練習を締めます。最初はけっこう話すこと自体が大変でしたが、今は慣れました」

Q:そこで言うことは練習中から考えているのですか? その場で考えるのですか?
「もう練習終わるとすぐに集まるので、実は監督やコーチの話を聞きながら、頭の片隅では自分が何を言おうか考えていたりします(笑)」

Q:苦労や難しさを感じていることはありますか。
「試合じゃない部分はみんなも協力してくれるので、特に問題はありません。でもピッチの中、試合中に負けているような時や自分たちが上手くいっていない時に、キャプテンの声かけなどでも試合を動かしたい。そういうところにまだ全然慣れていなくて、苦労知っているところですね。そういう風に言うのはあまり得意ではないので、ずっと課題として持っています」

Q:今年の中京大中京というチームはどんな特徴があるチームですか。
「メンバーには2年生も多くて、彼らの力強さやフレッシュさもあります。そしていろんな選手がいるというのも特徴で、例えば1対1が強い、ボールを持てる、パスが上手い、そういういろいろな特徴が組み合わさっているので、いろいろな方法を攻撃でも守備でもできるというのが今年チームの特長です。そういう部分が、今回のインターハイでも勝てた理由かなと思います」
Q:逆に、中京大中京の伝統的なスタイルというとどんなものをイメージしますか。
「速いテンポで前に行ったり、大きな選手を前に置いて、起点をつくってというのは自分が見ていた中京のイメージではありました。でも今年は全然違いますね」

Q:全国出場を決めたインターハイですが、ここまでのチームの成長をどう振り返りますか。
「リーグ戦があまりうまくいっていなくて、勝てない状況も多かったんですが、そこで自分たちを見た時に、失点が多いということがありました。それはみんながわかっていて、だから守備の練習を多くやったんです。今回の愛知県予選は無失点で終わることができたので、失点の部分に対する改善はできたことが、今回の全国につながったと思っています」

Q:その改善は狙い通りの成果が挙げられたのでしょうか。
「そうですね。相手の分析もけっこうやりましたし、その試合でどう守るのかということは、コーチたちとも一緒に考えながらやりました」

Q:守備を強化していく上で、他にも伸びたところがあったりもしたんでしょうか。
「あまりないかもしれませんが、例えば名古屋高校戦がそうだったんですが、攻撃の選手をスタメンでは走れて守備に貢献できるタイプにしたり、本当に守備にフォーカスしたチーム作りをしてきました。攻撃はもちろん点が取れればとは思っていますが、まずは守備第一に、という考え方をしていますね」

Q:インターハイの全国大会でもそれは武器としての手応えがある部分でしょうか。
「はい、4バックがしっかりコミュニケーションをとって良い関係でやれているので。全国で対戦するのは速いチームや強いチームが多いので、そこは難しいところだとは考えているので、もう一段階ディフェンスラインを構築していきたいと思っています」

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Q:全国大会は、どのような戦い方をしたいと思いますか。
「つないでいけるというスタイルもチームにはあるんですが、やっぱりこの愛知県大会とはまったくプレッシャーも違うと思いますから、そこよりはしっかり守って、チャンスをうかがって前線で攻めたり、ショートカウンターですね。弱者の戦い方ではないですが、そういうところでしっかり勝つことを考えています」

Q:守ると一口に言ってもいろいろありますが。守備の特徴は?
「4枚があまり崩れないというのが、今回のインターハイでの自分たちの特徴でした。あまりペナルティエリアから出ずに、もし出たとしたらボランチが入るとか、絶対に4枚のDFラインを崩さないというのがあります。そこに蹴られたとしても跳ね返す力はあるので、ボランチとバックラインの連動はかなり良い感じになってきました」

Q:次の進化や進歩を望んでいる部分としては、どんなところがあるのでしょうか。
「でも守備だけでは勝てないですし、今回の愛知県予選でも得点が少なかったです。守っていても、攻撃に行かなくちゃいけない時はあるので、そこで例えばカウンターならどれだけのクオリティでできるか。人数をかけるべき時にはかけないといけないので、そのレベルアップは必要だと思います」

Q:もちろんインターハイの後も戦いは続きます。最終的にどんなチームになりたいと思いますか。
「守備の安定性は変わらないで、そこでいろいろな形で点が取れるようになったり、何でもできるチームになりたいです。でも何か一つの特徴を伸ばして、観ている人に応援されるチームになっていきたいです」

Q:そしてそのチームの中で、自分はキャプテンとしてどんな存在になっていきたいですか。
「キャプテンとして、自分がコーチから言われているのが、『一番楽しむこと』なんです。僕はミスをすると落ち込んでしまう傾向があって、だから『いつも笑え』と。しっかり自分が一番楽しんで、一番良い雰囲気でやって。その上でどんな状況でもチームのことをまず最初に考えて、チームを変えていける存在になりたいと思います」

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