2020年64校目の取材は、選手権愛知予選を制し、7年ぶり4度目となる選手権を決めた愛知の強豪・東海学園高校サッカー部!取材に協力してくれたのはキャプテンの佐藤汰一選手!
後編となる今回は、今年のチームの強みや特徴、全国大会での目標などを聞いたぞ!


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佐藤 汰一
■ポジション:DF
■学年:3年
■身長/体重:174cm/68㎏
■前所属チーム:TSV1973四日市(三重)
■自分の見てほしいプレー:「後ろから声を出してチームの雰囲気を上げたり、自分がボールを持てば相手のいないスペースを逃さずパスを出すところ、ヘディングの強さです。好きなのはジェラール・ピケ選手ですね。チームがきつくなってきた時に自分のプレーで安心感を与えられるよう、もっと技術を上げたいです」

Q:そういった"キャプテンらしさ"を表現することで、背筋が伸びたり成長した実感もあるのでは。
「そうですね。ありましたし、自分がミスしたらダメだとか、ここで自分がへばっていたらチームがダメな方向に行くぞとか、そういうメンタルは鍛えられたと思います。自分はもともとそこまで技術的なところで長けているタイプではなかったんですが、そうやって一番にやることでレベルアップしたところはあると思っています」

Q:東海学園高校のスタイルはよく知られるところですが、今年のチームの強みや特徴はどこにありますか。
「本当に攻撃が好きなチームで、バリエーションもいろいろあって練習しているんですが、そのための前線からの守備だったりが自分たちの強みです。守備のチームではないんですが、守備をしっかり全員で、FWからGKを含めて11人でやることで、良い形でボールが奪える。そこから自分たちの好きな攻撃ができるので、攻守の切り替えの部分は本当に僕たちの特徴だと思います。それに1年生の頃からずっとやっている技術の部分でみんな上達してきているので、やりたいことにもバリエーションが増えてきています。今年はそれが良い形で勝利につながっていると思っています」

Q:選手権の愛知県大会で無失点。守備が堅いと言われるのは良いことですが、自分たちの感覚はどうなのですか?
「いや、特にそこを意識することはなくて。本当にたまたま相手が決めることがなかっただけで、でもそう言われることは良いことですし。そこを強みにして、それを言われるからこそさらに失点しないという意識もみんなの中に芽生えたと思っているので、その部分を考えれば言われるようになって良かったなと思います」

Q:好きな攻撃をするための守備、攻めの意識がそこには強いんですね。
「守備をしている時も自分たちのサッカーをしているという意識です。相手にボールを持たれていても、持たせている。"持たれてる"ではなく"持たせている"という意識の捉え方をしているので、別に攻撃されていても自分たちは攻めているし、させておいて自分たちの取れるところで取るようにしているし、そこに関してみんなはすごく良い意識で守備ができていると思っています」

Q:こうして全国出場を決めましたが、そこへ向けてのチームの様子は?
「正直、この1ヵ月で技術面がすごくレベルアップすることはだいぶ難しいと思うので、となってくると、気持ちの部分であったり、全国にはそれぞれの県で優勝してきたチームがいるわけで、強いこともわかっているわけです。だから失点をする機会が増えると思うんですけど、そこでどれだけ身体を投げ出して守れるか、今回の決勝でも0-0でPKだったので、決めきるところもまだまだチームには欠けています。攻撃の練習では一本一本のシュートを決めきることを意識していかないと、対戦のレベルが上がれば勝つことができなくなります。そこは自分が声を出していますが、全員で共通意識を持てるようにやっていくべきだと思っています」

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Q:キャプテンとしても余計に気合が入っていると思いますが。
「でも、選手権に出ることができるのは良いんですが、監督も言っていますが選手権に出たからには、自分たちがさらにその先の成長をという部分を一番に置くようにしています。選手権に出ること、プラス自分たちの成長です。これからの1日1日の練習で基礎や攻撃の決めきるような部分もやっていますし、そこは選手権が決まったからと言って特に変わったことはないんです。むしろ出場することが決まったことで良い意味で安心したところがあって、愛知県大会中よりも落ち着いた雰囲気で、良いトレーニングができています」

Q:緩んでいるのではなく、冷静になれているんですね。
「そうです。やっぱり大会期間中はカツカツになっているところがあって、それが今は吹っ切れて、良い状態で一からやれていると思います」

Q:全国大会での目標は。
「チームとしては、このチームは初戦で勝てたことがないので、まず勝つことが大事です。監督は『2回勝つぞ』ということを言っていて、そこが目標ですね。愛知県大会のように自分たちのサッカーを試合全体でやり通すことができれば、本当に全国に出た意味にもなると思うので、そのための技術面、体力面をここから補っていって、全国でも自分たちのサッカーが通用するんだってことを持って帰ってこられるように意識したいと思います」

Q:改めて伺います。理想のキャプテン像はありますか。
「キャプテンって、自分がやり始めた時の監督に言われたことがあって。前で引っ張るキャプテンと、後ろから前に行かせるキャプテンがいるって。自分はなかなか後ろから『やるぞ!』っていう方がイメージできなくて、やっぱり自分は前に立ってチームを引っ張っていくキャプテンになろうと思いました。そこはこの1年間で意識してきたことで、さらにチームの苦しい時、失点した場面とか、得点を決めた場面でも、自分が一番落ち着いて、もう一回ゼロの気持ちでチームのみんながプレーできるようなことをしたいです。そしてどんな状況でも自分たちの実力を発揮できるような安心感を自分が出せるようになりたいです。自分が一番後ろにいれば、安心してもらえるような存在になりたいです」

Q:その点でのチームメイトとのコミュニケーションはいかがですか。
「本当にいろいろな場面で自分を助けてくれて、盛り上げてくれます。試合で自分がミスをすればカバーしてくれますし、自分も誰かのミスをカバーすると褒めてくれたり。自分だけでなく、誰かのミスはみんなでカバーするように声をかけていますし、良いプレーには全員で盛り上げようと言っています。良いチームになってきたと思います。今回の選手権予選で声の大切さというのは本当に感じたんです。伝えることの大切さ、サッカーって見えていないことが多いので、声を聞いてやることがほとんどで、声を出すことでコミュニケーションの力もレベルアップしていると思いますし、そこは学年関係なくやろうということにしているんです。1年生でも3年生に『もっとこうしろよ』ってことは言えって言っていますし、逆に下の学年だからって甘やかすことなく、上級生として言うべきことを言うようにもしています。そこに関しては自分も言いますし、声を出すことで練習の強度も上がります。そこはこのまま続けていきたいです」


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